歯を守るために ー必要以上に歯を削らない抜かないー

2016年9月6日

これは12年前の新聞連載です。

当時と比べると、虫歯治療は必要以上に歯を削らない傾向になっていると思いますが、歯を守るための方法は相変わらず歯磨き一辺倒で、噛み癖の是正や正しい噛み方の指導をする歯科医は一向に増えていません。

歯磨きメーカーもテレビCMなどで、歯磨きの効能と一緒に「噛み癖を治しましょう」と繰り返しアピールしたほうがよっぽど「歯を守る事」になるのですが、本当に歯が守られてしまうと商売にならないのでまずいのかもしれません。

歯を守るために

歯を守るには、虫歯や歯周病を予防することが大切で、それには、ブラッシングを適切に行うことが一番の方法である。と信じられています。しかし、これは噛むための道具である歯の手入れ法であり、これだけでは不十分です。

どんな道具でも上手に使ってこそ長持ちするのです。そこで、

1.噛み癖(右や左ばかりで噛む)を直し、左右の歯でバランスよく噛む。(http://goo.gl/1p2vS 参照)
2.食事以外の時に歯を噛みしめたり、歯ぎしりをしない(乳歯の時の歯ぎしりは除く)(http://goo.gl/Lmmrf参照)この2点をしっかりと覚え、実行して下さい。

こうしたことは、日常の生活で自分自身で出来ることですが、歯の治療の仕方でも歯の寿命は大きく違ってきます。歯の治療は『必要以上に削らない、抜かない』ことと、複数の歯を一度に治療をしないことが大前提です。虫歯や歯周病以外に人工的に歯を侵襲することは極力避けなければいけません。一度削ったり抜いたりした歯は、二度と元にはもどりません。

小さな虫歯治療でも削る範囲は必要最小限にしなければいけません。特に、抜けた歯の部分を回復するために、健康な両隣の歯を一回り小さく削って、複数の歯を連結して被せるブリッジは要注意です。

例えば3本ブリッジの場 合、健康な歯を削ることも問題ですが、新たに3本分のかみ合わせを回復しなければならなくなります。人工の歯で元のかみ合わせを正確に再現することは困難で、全体のかみ合わせバランスを狂わせる原因にもなりやすく、結果として歯の寿命を縮めかねません。

こうした場合は両隣の歯を削らずに抜けた部分だけを回復する『入れ歯(1本義歯)』や、『接着ブリッジ』を選択し、歯科医にはっきり伝えましょう。また、歯はいずれは減っていくものですので、使う素材も保険や自費に拘わらず、天然歯に近い硬さの物を選んでください。

かみ合わせの変化は全身にも影響しますので、歯科治療でかみ合わせが狂っるてしまうことを避けるには、治療を受ける際の体勢に注意が必要です。小さな詰 め物から総入れ歯に至るまで、かみ合わせのチェックは、立った姿勢か、椅子に腰掛けた姿勢で受けてください。治療台に寝たままの姿勢だと下顎がさがってしまい、本来の顎の位置とは違います。かみ合わせのチェックは食事をする時と同じ姿勢で受けて下さい。また、こうしたことを実践している歯科医を見つけることも歯と身体の健康を守る秘訣とも言えます。


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