『ほうれん草が硬い食べ物!』咬合力(噛む力)と視力の低下

週刊文春で「噛む力と視力」についてショッキングな記事を見つけました。以下にその要約を記します。

**幼稚園児の4人に1人が視力1.0未満!

 原因は『咬む力』の衰え

文部科学省が発表した平成15年度の学校保険統計調査によると、6割の高校生の視力が1.0未満であることがわかった。特に低下の著しいのが幼稚園児で、視力が1.0に満たない割合が実に全体の25%もある。これは十年前より5ポイントの増加だ。

この状況を「非常に深刻」と受け止めるのは、神戸山手大学の島田彰夫教授。1987年から若者の視力低下について調査をしている島田氏は、近年の傾向をこう語る。「60年代生まれの人の視力の最も良い時期(ピーク)が8~9歳、それが70年代生まれになると7~8歳となり、90年代生まれでは5歳と、予想外の勢いで低年齢化しています。5歳といえば、本来、子供にとっては視力の発達時期の真っただ中なのに、視力の上がりきらないうちに低下し始めているのです。」

この傾向を「遺伝という理由だけでは済まされない」という島田氏。その原因のひとつに、咬合力(噛む力)の低下が挙げられるという。「咬合力が弱いと顔の咬筋が弱くなり、視力にも影響します。」

島田氏が学生297人を対象に行ったアンケート調査では、硬い食べ物を好む人の方が、軟らかい食べ物を好む人に比べて視力が2倍程度良いという結果が出た。

また、5歳児を調査したところ、咬合力が1キロにも満たない子供が硬いと感じた食べ物は「ほうれん草」。この子が中学生になった時の視力は0.2だった。一方、5歳の時に咬合力が47キロだった子供が中学生になった時の視力は1.5だったという。

幼児期から硬いものを食べる習慣が、視力を鍛えるためには重要だという島田氏。「そのためにも子供が離乳するのを待ってください。時期が来れば自然に大人と同じ食事を欲しがるようになります。子供が手を伸ばすものを見ていると、2週間くらいのスパンで、バランスのとれた食事をするのがわかります。大人が食べないような離乳食を与える必要はなく、子供の力を信じることが大切です」**

子供達の噛む力が衰えている事はここ数年で、大きな問題になっています。その影響は視力だけでなく、IQの低下につながる実験結果も報告されています。

柔らかさが美味しさの基準になってしまったのは、70年代にマクドナルドなどのファーストフードが一般的になってからでしょう。その頃が成長期だった世代が今の子供達の親世代ですから、噛む力の貧弱な軟食世代も人口の多くを占めるようになってきました。

自分の子どもの能力を最大限に発揮させるには、塾やスポーツクラブに通わせるより、良く噛める力をつけてあげる事の方が、よっぽど効果があります。

(詳しくは拙著:『子どもの歯並びと噛み合わせはこうして育てる』をぜひ御覧下さい。詳細は下記のWebサイトから)

林裕之記

● 林歯科/歯科医療研究センター www.exajp.com/hayashi/


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