総入れ歯を作るときの噛み合わせの様式は、ひとつではありません。代表的なものだけでも、五つくらいあります。これでは、どうやって入れ歯を作ればいいのか、まったくわかりません。
学生時代、このことに疑問を持って教授に質問をしたことがあります。そのときの答えは「個人差があるから、その人に合った方法を選択する」というものでした。では、どうやって患者さんにベストの方法を選択すればいいのか。さらに質問をしてみると、「さまざまな項目を分析して、総合的に適性を判断する」という答えが返ってきました。
どのように総合し、どのように分析するか、その質問には答えてもらえませんでした。要するに、「いろいろな基準があるから、いろいろと試してみなさい」ということですが、それで個々の患者さんに合った入れ歯が作れるかと考えると、おおいに疑問です。
林裕之