「病気になる前に、病気を治す」。こんなちょっと不思議な、でも夢のような話が、現実になりつつあります。カギを握るのは、血液の中にある「極小のチリ物質」。赤血球のわずか1万分の1ほどの小さなこの物質は、体の細胞が何らかの攻撃にさらされると、いち早く血中に溶け出します。これを血液検査でキャッチすることさえできれば、これまでとはケタ違いの早い段階で、病気の兆候を知ることができるのです。

7/15のNHK EテレサイエンスZERO「病気になる前に治す!血中“極小物質”の謎」はとても興味深い内容でした。
番組の中で紹介されたのは、肝炎の場合、従来の血液検査では肝臓や胆管の細胞が炎症などで壊れた時に出るγGTPを調べて病気の有無を判断してしたのですが、極小のチリ物質メタボロームの場合、細胞が壊れる前の炎症状態の時に放出される物質なので、細胞が壊れる前のより早期の発見が可能で、治療もより簡単に済ませることが可能になります。
この検査方法は一滴の血液があれば充分なのと、他の殆どの肝臓疾患の超早期発見が可能なのだそうです。
肝臓病にだけでなく、うつ病のメタボロームも発見されており、血液検査でうつ病の発見が可能です。医師の技量に左右されがちなうつ病の診断が、数値化でき、客観に判断出来るのは画期的な事だと思います。
メタボロームの解明は全体の10%程しかなされておらず、世界中で解明が進んでいるそうです。メタボローム検査が普及するにはまだ時間がかかりそうですが、歯科分野の応用も充分期待出来ます。今後の展開が本当に楽しみです。
この番組の再放送は↓です。
NHK Eテレ サイエンスZERO「病気になる前に治す!血中“極小物質”の謎」
再放送 7/21(土) 昼 00:30~