医療の正義とは?

ここ数年、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「正義」についての話しを耳にした人は大勢いるでしょう。私も「白熱教室」をテレビで見たり、「これから正義の話をしよう」という本を読んだりしました。

それまで「正義」という視点は生活の中にありませんでしたが、これをきっかけにあらためて「正義」というものを意識するようになると、色々な面で漠然と捉えていたものにくっきりとした枠が出来た感じがしました。

サンデル教授は、主に社会での富の分配や人類、国家のあり方について「正義」という視点、切り口でその本質に迫ろうとしていたと思います。

最初「正義」という視点はいかにも西洋的というか硬い感じを受けましたが、しかし実は日本ではなじみの深い「道徳」という観念が、サンデル教授のいう「正義」に近いのではないかという印象を持った後には違和感は少なくなりました。正義+哲学=道徳のような感じです。

「医療における正義とは?」

医療とは何か。健康の回復、増進、維持、予防に関わるもので、そのための行為が医療行為と言えるでしょう。

治療とは何か。医療行為の中の健康の回復の為の疾病の改善に対する医師による具体的な施術のことと言えるでしょう。

 では、医療における正義とは何でしょう?

一言でいえば、「患者に最大限の健康的利益をもたらすこと」でしょう。つまり正義的医療行為では、医師の違いによって患者にもたらされる健康利益に差があってはならないということです。一つの疾病には一つの治療方針であるべきです。

「歯科医療の正義」

しかしながら現在の歯科では、この最大限の原則(正義)が確立し、守られていると言えるでしょうか?私にはそう思えませんし、この原則自体への言及でさえ為されていないのではないかと思います。

歯科治療の目的は、歯を治すこと自体にあるのではありませんし、治療法の違いにあるものでもありません。どんな方法、手段を用いても歯科治療を通して、不具合や支障のない口の働きを回復、維持することです。

そして、最終的な目標は、「口を意識しないで社会生活を送れるようにすること」です。

「私の受けたい歯科医療」

では、それを実現するためにはどうしたら良いのでしょうか。医師は自分の担当する科目では、患者に最大限の健康利益をもたらすプロです。つまり、自分の科目では、自分の治療は自分でするのがベストです。

結局、「自分の受けたい治療を方法、手段に妥協したり固執することなく患者に提供する」ことが医療の正義である「患者に最大限の健康的利益をもたらすこと」につながる最も近道なのです。

だからこそ、私はこれからも、様々な分野の情報に感度の良いアンテナを張り、日々研鑽を積みながら自分の受けたい歯科治療を追求、実践し続けて行きたいと思っています。


林歯科・歯科医療研究センター
http://www.exajp.com/hayashi/
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