ブリッジの最大のデメリット


Meuro_8_27_2010

写真は、ある患者さんが使っていたブリッジです。

歯の根が付いたままです。低く見積もっても40万円はする自費のブリッジです。このような写真があるのは、むろん抜けてしまったからです。左上の臼歯を一ぺんに失ってしまいました。

このブリッジには、土台となる歯が3本あります。通常、土台となるのは抜けた歯の両隣りだけですから、1本余分に土台を作っているわけです。

土台を3本にした理由は定かではありませんが、おそらくこのブリッジを作った歯科医は「橋げた」が多いほど「橋」が安定すると考えたのでしょう。あるいは、小さな虫歯があった。虫歯を削るついでに、土台にしたわけです。

歯とブリッジの結合部分を見ると、ぴったり合っています。これを作った技工士は、相当な腕前です。

しかし、このブリッジは、抜けました。土台となる歯は通常よりも多く、歯とブリッジの結合部分がぴったり合っているし、高額な治療費をかけたのに抜けてしまった。

抜けた原因は色々な要素が複雑に絡み合った結果でしょう。しかし一言でいえばその歯が耐えられるストレスの総量を越えてしまったということです。そして、そのストレスを軽減する調整や指導をこの歯科医はできなかったのです。

残念ながら、こうしたケースは案外多いのです。ブリッジは一ぺんに数本の歯を失ってしまうことが多いという、ブリッジの最大のデメリットを如実に物語っています。

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