悪いことに、現在の保険制度では入れ歯をいったん作れば、たとえそれが使えない入れ歯でも、歯科医や技工士は報酬を受けとれるのです。
もちろん無限に作れるわけではなく、一人の患者さんに対しては半年間に一度しか入れ歯を作れないことになっています。しかし逆に言えば、半年ごとに新しい入れ歯を作れる。
こんなことは、入れ歯以外では考えられないのではないでしょうか。たとえば車なら、走らない車を作るメーカーはありません。もしあったら、クレームが殺到するはずですし、車の代金は顧客に返還されるはずです。それを契機にそのメーカーが倒産してしまっても不思議ではありません。
半年で新たに作れるのなら、きちんとした入れ歯を作ろうとする歯科医は減ります。丁寧に作っても、雑に作っても、報酬は同じなのですから、雑な仕事をする人が増えるのは当然でしょう。実際、雑な仕事をしている歯科医や技工士はたくさんいます。
使えない入れ歯が量産されれば、益々保険点数は上がらない。患者不在の悪循環に陥っています。
林歯科/