父の場合、咀嚼システムは六五年という長い時間をかけて作られたものでした。これを破壊したのが、合わない入れ歯です。人間には適応能力がありますから、噛み合わせの変化にも、適応していくことができます。合わない入れ歯でも、ある程度は慣れることができる。しかし、適応には限度があります。
合わない入れ歯によって、父の咀嚼システムは少しずつ狂っていきした。やがて適応能力が限界を超え、症状が出てきた。ですから、歯茎の腫れをとり、新しい入れ歯を作っても、根本的な解決にはなりません。狂ってしまった咀嚼システムを、正常なレベルに戻さなければ、また同じようなトラブルが起きる可能性があります。
だからバランスよく噛む訓練をしたのですが、時間をかけて治療を続けていったところ、抜けてしまった毛が徐々に生えてきたのです。