白州次郎という人。

先日、白州次郎(マッカサーを叱った男)という人についてのテレビを見た。「ああ、日本人にもこんな人が居たのだな」と思った。

白州次郎は、終戦後、日本国憲法の発令や戦後処理などでGHQと実質的に交渉に当たっていた人で、当時、敗戦によりGHQに対して卑屈な官僚や政治家がほとんどだった中、「唯一、従順ならざる日本人」とGHQから評されていた。

彼の信念は「筋を通すこと」である。私が最も感銘を受けたのは、なぜ彼が命がけで戦後処理に当たったかである。彼曰く「我々、この世代が、戦争を引き起こし、日本を元も子もなくしてしまった。」彼は、元々戦争には反対の立場を明らかにしてはいたが、それでもなお、戦争に対してきちんと反省し、責任を出来うる限り果たそうと、筋を通そうとしたのである。

私は常々、日本の老人達が、「今の日本を築いて来たのは、我々だ。」的な態度や雰囲気を出したりする場面に遭うと非常に不快感を覚え、嫌な気分になっていた。なぜならば、「こんな日本にしておいて。」と思っているからだ。もちろん、当時、自分がそこに居たとしても同じようにしかならなかったとは思う。しかし、決して国が、その世代が犯した、戦争に代表されるような愚行に対して、きちんと抵抗するようなことをして来たかを自分に問うことはするであろうし、ましてや開き直って「日本をここまでしてやった」のような感覚には間違ってもならない。それは現代でも同じである。

特に今、日本に必要なのは、根底に「筋を通す」ということを据えることだろう。これは、日本古来の「武士道の精神」でもあるのではないか。これからの日本の行く末は、今、我々の世代によってなされようとしている。目先のものに捉われず、自分によらない筋を保って行きたい。つまり、「次世代がきちんと自律出来る、世の中作り」だと思う。

林 晋哉


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