Sさんのこと。

先日、林歯科開設以来10年以上おつき合いさせて頂いていた患者さんがお亡くなりになりました。

来院当時から軽くないご病気を持っていらしゃったことはわかってましたが、実際にその時が来て、ご家族から丁寧なご連絡を頂くと感慨もひとしおです。

Sさんは当初舌が痛いということでいらっしゃました。ブリッジを作り替えたり、わりばし法や、咀嚼筋マッサージに励んでもらったりしてほとんど消失しました。

その後は徐々に悪くなる歯の状況に応じて治療を行い、最近では、下顎に両側にまたがるタイプの比較的大きい部分義歯を装着し、特に問題なく使用されていました。

舌が痛いという患者さんがこのようなタイプの義歯を特に問題なく使えるところまでこれたというのは、とても良かったと思っています。もちろんこの結果は、患者さんの治療方針に対する理解とリハビリの励行が一番大きな要因です。

 

実は、Sさんはお亡くなりになる1、2週間前に入院先の病院から当院に来院されています。

Sさんは余命がいくばくもないことをお知りになり、挨拶廻りをしたのだそうです。それで御挨拶に見えられたのです。

当日は何と言って良いか、どのように対応していいかわからず、お互い、いつものようにただ淡々としていました。そして最後に次回の予約について連絡をもらうことでお別れしました。結局この日が最後になってしまいました。

 

私が歯科医師になってまる17年、歯科としてはまるで新しいシステムで始めたこの林歯科を開設してまる12年が経とうとしています。林歯科開設当初を考えると、Sさんのような患者さんに支えられ奇跡のように存続して来ました。

 

そしてなにより、治療に関して特にSさんには勉強させてもらいました。こころより感謝しています。

 

Sさんの御冥福をこころよりお祈り申し上げます。

林 晋哉

 

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