歯は骨から生えていると思っている人がいるかもしれませんが、実は歯根膜というハンモック靭帯の上に浮かんでいるのです。
ハンモック靭帯はスイカを運ぶときに使う網袋をイメージしてください。歯根膜は歯と歯槽骨をつなぐとても薄い繊維の集まりで、いちばん厚い奥歯でも0・5ミリの厚さしかありません。私たちの歯は歯根膜というクッション役によって骨にくっついているので噛むときの衝撃がやわらげられるのです。
また、歯は食事をするたびに、組織の一部が欠けます。このことを専門的には脱灰といいますが、微細な変化なので目で見てもわかりません。
脱灰のままではたちまち虫歯菌に侵食されてしまいますが、歯の脱灰が起きた場所は何時間かたっと元どおりに修復されます。修復のことを再石灰化と呼んでいます。歯は脱灰と再石灰化を繰り返すことで常に生き返っているのです。