歯医者に対する恐怖心

ここで一つ、触れておきたいことがあります。それは、患者さんはなぜ早い段階で治療を受けなかったのか、ということです。

たとえばめまいが治ったケースでは、症状は歯以外のところに出ていますから、歯科医にかかる時期が遅れたのは、仕方がなかったとも言えます。

しかし、この患者さんは口の中がボロボロになっていました、治療を始める何年も前から、食べるのに支障があり、痛みや不快感があった。にもかかわらず、ずっとそれに耐えていたのです。これは一体なぜなのでしょうか。

察するところ、歯医者に対する恐怖心のようなものがあったと思います。「痛かったら嫌だな」とか「恐ろしい目に遭うのではないか」といったことで、躊躇していた。

当然、症状は悪化していきます。そうなると、「こんな口を見せたくない」という心理が生じてくるようです。歯医者に行って口を開けたとき、「うわっ、ひどいですね」と言われたくない。あるいは、「どうしてこうなるまで放っておいたのか」と怒られたくない。だからギリギリの状態になるまで歯医者に行かないわけです。


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