耳鳴りと噛み合わせとの因果関係

この患者さんが違和感なくものを食べられるようになったのは、初診のおよそ2年後です。最終的には入った総入れ歯になりました。歯茎の状態は、初診時とは比較にならないほど良くなっています。全身症状も大きく改善されました。

私たちのところでは、診察を始めるにあたって圧痛点を調べます。頭部、首、肩、背中を指で押していって、どこが痛いのかを調べるのです。

なぜそんなことをするのかというと、咀嚼システムに偏りがあると、咀嚼筋をはじめとする上半身の筋肉がストレスを受けるからです。総じて、圧痛点が多い人は、偏った噛み方をしている可能性が高いと言えます。この患者さんも治療を始めたときは圧痛点は多く、側頭部、後頭部、顎、肩、背中などの広い範囲に「押すと痛い場所」がありました。

 しかし治療後は、これが半減しました。顎と背中に関しては、ゼロになった。加えて、顎関節にあったクリック音、指の痛み、耳鳴りが消えました。左膝の痛みは完全には消えなかったものの、「夕方になると痛みが増す」という症状はなくなったとのこと。顎口腔系のストレスが減ったため、筋骨格系がバランスがよくなり、症状が改善されたのだと思います。

耳鳴りと噛み合わせとの因果関係は、実際のところは不明です。しかし、まともに噛めなかったときには耳鳴りがあり、きちんと噛めるようになったときにそれが消えたのですから、何かしらの関係があると考えるのが自然でしょう。


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