今年も残り10日あまり、一年の経つスピードが年々上がってゆく感じがします。しかし、師走特有の慌ただしいさは年々薄れて行くようです。
技工士になったばかりの頃(昭和52頃)の年末は本当に忙しかった。当時はラボ(歯科技工所)に努めていましたが、連続完徹は当たり前、やってもやっても後から仕事が追いかけてきてました。
正月までに歯も治療して新たな気持ちで新年を迎えるたいという慣習みたいなものがまだ色濃く残っていたんですね。だから、歯医者も技工士もてんてこ舞い。
下っ端の自分に利益は回ってきませんでしたが、当時は年末といえば歯科業界の書き入れ時、相当潤ったのでしょうね。ただ、あれはもう医療ではないですね。とにかく数をこなして納期に間に合わせるので精一杯で、品質は二の次になりがち、最後の方は何を作っているのか解らないくらいでした。
当医院の材料屋さんとは25年来のお付き合い。その材料屋さんは何軒かのラボ(歯科技工所)もお得意さんとして日々ルートで回っています。そのラボのうちの何軒かは今週でもう仕事納めだ聞きました。年末の技工事情も随分な様変わり。年々厳しくなるようです。
不景気だけが理由ではなく、新年は新しい歯で迎えるから年内のうちに歯医者で治療。なんて慣習?もなくなりましたね。
歯科業界にとっては寂しい年末ですが、技工士が忙しくて儲かると仕事が荒れ、患者さんに不利益になるのだから、これはこれでいいことなのだと思います。