噛まない人はダメになる


【口からわかること(中)】「かむ」刺激が脳も活性化

”「咀嚼による刺激で神経細胞が死ぬのを防ぐことができれば、認知症の防止などにもつながる可能性がある」”との朝日新聞の記事です。http://goo.gl/jRhn6

この記事にもあるように「噛む効用」も古くて新しいテーマです。噛む事は食べ物を噛み砕くだけでなく、咀嚼運動がもたらす脳や身体へ影響は古くから指摘されてきました。

こうして「噛む効用」は、時々メディアに取り上げられるのですが、歯科医療のメインストリームにはなかなかなりません。

写真の「噛まない人はダメになる」(咀嚼研究センター設立推進グループ編) という過激なタイトルの本が 風人社から発行されたのが、1987年11月。25年も前です。この本は一般向け講演会「噛まない人はダメになる」での様々な分野の学者の発表をまとめて出版したものです。この講演会は立ち見が出る程盛況だったと書かれています。「食べ物を噛むということは、口のなかだけの問題ではない」と、咀嚼システムや口の機能、脳や全身との関連の重要性を一般の人々に訴えていたのです。

そして、この10年後の1997年8月には『 誰も気づかなかった 噛む効用 ― 咀嚼のサイエンス』 窪田 金次郎 (監修), 日本咀嚼学会(編集) が発行されています。この本の内容は以下の通りです。

『噛むことは、こんなに身体にいい!脳の働きを活発にし、がんや糖尿病などの成人病を防ぎ、肩こり・腰痛を治し、スポーツ能力を高め、寝たきり老人を立ち上がらせ、ボケを予防する驚異の生命システム「咀嚼」の謎に迫る!日本初の一般向け「咀嚼の科学」。歯科医学をはじめ、生理学・解剖学・食品栄養学・保健学等の、各研究機関の最前線で活躍する26名の専門家を結集。日本咀嚼学会が、世に問う記念碑的一冊。
』(「BOOK」データベースより)

こうして古くから歯科医療の奥深さ、可能性が示されていたのに、今でも歯の修理、修復ばかりの歯科のままなのはなぜでしょう?予防と言えば「磨け、磨け」これでは歯科は科学ではないと言われてしまうわけです。そもそも上記のような本をどれだけの歯科医が読んでいるでしょうか?

『がんや糖尿病などの成人病を防ぎ、肩こり・腰痛を治し、スポーツ能力を高め、寝たきり老人を立ち上がらせ、ボケを予防する』こうした素晴らしいことに繫がる歯科医療で国民の健康に大きく寄与出来るのですから、今からでも歯科教育のシステムを変えて、修理屋から医療へと変革すべきです。

咀嚼のサイエンスに気づかなかないのは他ならぬ歯医者自身です。「僕は咬合(かみ合わせ)は専門じゃないから」と平然と口にするのが歯科医の現状です。患者さんの歯はいじっても、自分の咀嚼システムすら知らない”噛めない歯医者”が多いので歯科界はダメになったのでしょうか?

書籍

Posted by 林歯科


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