過酷な歯科技工士の平均年収

歯科技工士は国家試験に合格し免許を必要とされる職人的な仕事です。歯科界の中では裏方の仕事なので、なかなか表に出る事はありません。歯科医師から詰めものや被せもの、入れ歯などの制作を請け負います。ほとんどはラボと呼ばれる少人数の会社に勤めるか、自己開業が主で、歯科医院内の技工室で仕事をする人は大変少なくなっています。

歯科治療は最終的には詰めたり、被せたり、ブリッジ、入れ歯など人工物での修復になりますので、それらを制作する歯科技工士なしには成り立たないのですが、長時間労働のわりには収入が少なく、過酷な職業で、若い歯科技工士の離職が目立っています。昨今は人件費のより安い中国などの外国で歯科技工物を制作し輸入する業者もおり、不毛なダンピング競争で疲弊した業界となっています。

平均年齢35.7歳の歯科技工士の平均月収は26.0万円、そこから推定される平均年収(ボーナス込)は347.2万円と出ています。(平成20年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)歯科技工士学校も定員割れが多く、30年前のオイルショックの不況時には、手に職を付けろとばかりに大卒者や社会人も歯科技工士を目指し、技工士学校の競争率が10培近くと狭き門だったのがウソのようです。昨今も不況ですが、それでも選ばれない職業になってしまったようです。

私(兄)が歯科技工士になり社会に出た頃の実態は、半数以上が無免許で安い賃金で働いており、そうした事も今の劣悪な労働環境を作った一因になっていると思います。

個人的には素晴らしい仕事で、とてもやりがいがありますが、正しい勉強を永続することが必須です。