脳外科に行くほどの頭痛と岩のように硬い肩の痛みが(2)
主婦・69歳 吉田妙子
最初に割りばしゴロ寝のことを聞いたときは、「まさか、割りばしを口に乗せたぐらいでよくなるなんて」と、正直にいって信じられませんでした。しかし、何もしないよりはましと、二月に入ってすぐに、割りばしゴロ寝を始めたのです。
やり方は家にあった割りばしを割り、じゅうたんや畳の上にあおむけになって、くちびるの間に一本乗せるだけです。
これを一日二回、朝六時と夕方に、三〇分ずつ行います。割りばしゴロ寝をやっている間は、テレビをつけて横目でなんとなく見ています。
この時間帯を選んだのは、来客や電話がすくなくてすむからです。また、寝てしまって割りばしが口からはずれるのをさけるために、眠いときにはやりませんでした。
最初のころは、あごの筋肉はほぐれていなかったためか、数分も割りばしを口に乗せていると口が閉まってきました。そうなったら、一度ワリバソをはずして、また口に乗せ直すようにしました。ほとんど期待しないで始めた割りばしゴロ寝ですが、しばらくして、効果が現れました。
二週間ほど続けたところ、脳外科にまで行ったほどのひどい頭痛が、なんとなく薄れてきたのです。割りばしゴロ寝のことを聞いたときは「まさか」と思いましたが、効果を感じたときも「まさか」とにわかには信じられませんでした。
でも、その後も割りばしゴロ寝を続けると、頭痛はどんどん軽くなり、三月の中旬にはまったく頭痛はしなくなりました。また、このときには、肩こりも解消していたのです。同時に、歯のほうのズキズキする痛みもなくなりました。
わずか一ヶ月半ほど前まで、いろいろな痛みで悩んでいたことが、ウソのようです。
さらに、これは割りばしゴロ寝の効果かどうかよくわかりませんが、四年前に起こした脳梗塞の後遺症の、ふらつきやめまい、疲れやすさをまったく感じないのです。
買い物にも出かけられるようになり、家のことは一人で全部こなせるようになりました。手伝いに来てくれていた友達は、いまでも遊びに来てくれています。これも、割りばしゴロ寝で痛みがなくなり、性格が元どおり明るくなったからでしょう。
割りばしゴロ寝の効果を確信した現在、それは私の朝夕の日課になっています。今後も、割りばしゴロ寝を健康管理に役立てようと思っています。
吉田妙子
● ひとことアドバイス
林歯科院長 林晋哉
吉田さんの症状の根本原因は、義歯があわないことなど、かみ合わせの悪さにありました。それと同時に、無意識に行うかみしめが、問題をさらに複雑にしていました。脳神経外科に行くほどの激しい頭痛、岩のように重い肩こり、それに耐えがたいほどの歯痛が一緒に起こったのですから、そのつらさは想像を絶していたでしょう。
そうしたつらい症状が、割りばしゴロ寝によりかみしめが改善されると、ウソのように軽くなりました。まだ、私たちのところで、義歯の治療は行っていません。しかし、あごの筋肉の緊張を取るだけで、これほどよくなるのです。
しかも、吉田さんがいっているようにふらつき、めまい、疲れやすさなど、意外な症状までよくなることもめずらしくありません。