他人の歯で物喰う人々

朝日新聞夕刊に歯列矯正を勧める広告が載っていた。

広告主はOCAJ(Orthodontic Centers of America /JAPAN)提携した全国の矯正医に患者を紹介する営利目的の仲介業者だ。

医師や歯科医は新聞等に直接広告を載せる事はできないため、こうした業者が登場する。2000年頃から広告が目立ってきた。

矯正治療を受けた全ての人々がその結果に満足しているのなら、文句は言わない。ニュービジネスモデルとの評価も妥当だろう。でもね、実際は違う。

林歯科には、矯正の副作用(詳細はHPで)で苦しむ患者さんが引きも切らず訪れる。OCAJみたいな業者は歯列矯正の良い事しか言わない。歯並びを気にしている人は鵜呑みにしてしまう。

提携している矯正医の質も問わないのだろう。そして矯正の副作用が現れても責任はとってくれない。

防衛策は正しい情報を手に入れ慎重に吟味する事。自分の歯で他人を食べさせる必要は無い。(林裕之)

● 林歯科/ www.exajp.com/hayashi/

パチンコで歯の寿命が縮む?

パチンコの後はこめかみが痛む。奥歯が痛い(うずく)事もある。

休日の気分転換はもっぱらパチンコ。玉の出具合いによっては、7~8時間やっている。その時、無意識に奥歯を「噛み締め」ている。これが、こめかみや奥歯、顎の痛みの原因。

「噛み締め」は何かに集中している時や緊張したり、怒ったりした時にしている事が多い。パチンコ中の感情そのままだ。噛み締めると歯に余分な負担を強いる。

歯や歯茎を痛め、顎を動かす咬筋(えらのあたり)や側頭筋(こめかみのあたり)も疲労する。これが積もり積もって歯の寿命を縮めてしまう。

パチンコをしない人もゲーム中や仕事中の「噛み締め」にご用心!(林裕之)

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『ほうれん草が硬い食べ物!』咬合力(噛む力)と視力の低下

週刊文春で「噛む力と視力」についてショッキングな記事を見つけました。以下にその要約を記します。

**幼稚園児の4人に1人が視力1.0未満!

 原因は『咬む力』の衰え

文部科学省が発表した平成15年度の学校保険統計調査によると、6割の高校生の視力が1.0未満であることがわかった。特に低下の著しいのが幼稚園児で、視力が1.0に満たない割合が実に全体の25%もある。これは十年前より5ポイントの増加だ。

この状況を「非常に深刻」と受け止めるのは、神戸山手大学の島田彰夫教授。1987年から若者の視力低下について調査をしている島田氏は、近年の傾向をこう語る。「60年代生まれの人の視力の最も良い時期(ピーク)が8~9歳、それが70年代生まれになると7~8歳となり、90年代生まれでは5歳と、予想外の勢いで低年齢化しています。5歳といえば、本来、子供にとっては視力の発達時期の真っただ中なのに、視力の上がりきらないうちに低下し始めているのです。」

この傾向を「遺伝という理由だけでは済まされない」という島田氏。その原因のひとつに、咬合力(噛む力)の低下が挙げられるという。「咬合力が弱いと顔の咬筋が弱くなり、視力にも影響します。」

島田氏が学生297人を対象に行ったアンケート調査では、硬い食べ物を好む人の方が、軟らかい食べ物を好む人に比べて視力が2倍程度良いという結果が出た。

また、5歳児を調査したところ、咬合力が1キロにも満たない子供が硬いと感じた食べ物は「ほうれん草」。この子が中学生になった時の視力は0.2だった。一方、5歳の時に咬合力が47キロだった子供が中学生になった時の視力は1.5だったという。

幼児期から硬いものを食べる習慣が、視力を鍛えるためには重要だという島田氏。「そのためにも子供が離乳するのを待ってください。時期が来れば自然に大人と同じ食事を欲しがるようになります。子供が手を伸ばすものを見ていると、2週間くらいのスパンで、バランスのとれた食事をするのがわかります。大人が食べないような離乳食を与える必要はなく、子供の力を信じることが大切です」**

子供達の噛む力が衰えている事はここ数年で、大きな問題になっています。その影響は視力だけでなく、IQの低下につながる実験結果も報告されています。

柔らかさが美味しさの基準になってしまったのは、70年代にマクドナルドなどのファーストフードが一般的になってからでしょう。その頃が成長期だった世代が今の子供達の親世代ですから、噛む力の貧弱な軟食世代も人口の多くを占めるようになってきました。

自分の子どもの能力を最大限に発揮させるには、塾やスポーツクラブに通わせるより、良く噛める力をつけてあげる事の方が、よっぽど効果があります。

(詳しくは拙著:『子どもの歯並びと噛み合わせはこうして育てる』をぜひ御覧下さい。詳細は下記のWebサイトから)

林裕之記

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「噛み合わせ」と「歯並び」の違い(2)

一番大切なのは、気にし過ぎない事。成長期を過ぎてから見た目を整えるだけの矯正は大変危険です。

 

残念ながら、矯正医で噛み合わせ(咬合)を正しく理解している人は殆どいません。機能を保ちながら、歯を移動させる事は不可能と言っても過言ではありません。

歯列矯正によって噛み合わせが急激に変化し、その変化に身体の諸機能がついていけず、口が開かない、顎の痛み、頭痛、肩こりなど、様々な悪影響に苦しむ人は後を断ちません。

どうしても矯正を希望する場合は、その矯正医が「咬合と全身」についての正しい知識を身に付けているかをきちんと確認し、副作用が現れた場合に責任を持って対処してくれる事を文書で残す事が肝心です。

林裕之記

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「噛み合わせ」と「歯並び」の違い(1)

「噛み合わせ」と「歯並び」を同一のものと混同していませんか?実は「噛み合わせ」と「歯並び」は分けて捉えなければいけません。

世間で言われている「歯並び」というとまず、前歯の事ですね。特に上の前歯、正面から見える部分が揃っているか、いないか。つまり、『歯並び=見た目』が一般的な認識でしょう。

しかし、歯列(しれつ)とは奥歯も含めて捉えるのが本筋です。大方の歯医者や技工士、衛生士でも、「噛み合わせ」と「歯並び」の違いを正確に説明出来ないないのですから皆さんが混同するのも無理もありませんが、『噛み合わせ=噛む機能』『歯並び=見た目』と考えて下さい。

皆さんが気にする歯並び(見た目)が乱れていても噛み合わせ(噛む機能)に問題がない事は多く、逆に歯並び(見た目)は良くても噛み合わせ(噛む機能)が悪い場合があるのです。後者の典型は成人の歯列矯正を受けた患者さんです。歯は揃ったけれど、ものが食べられないといったケースが多々あるのです。

林裕之記

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