今年4月1日から歯科の保険診療の報酬が改訂された。わかりやすく言うとかなり下げられたということである。これは、保険財政から言えば、至極当然のことである。なぜならば、保険の報酬を賄う財源がなくなって来ているからで、ない袖は振れないということである。
しかしこの改訂内容を同業から漏れ聞く限り、内容自体は少しマトモになって来ているように感じる。例えば、抜歯前に血圧を計ると報酬につながるようになったそうである。考えてみれば、こんなことは当たり前なのに今までやってこなかった方が不思議だし、抜歯前に血圧を知りたいと思う歯科医が圧倒的に少ないという現実は悪夢としか言いようがない。
以前から、歯科で独自に患者の血液検査が保険で出来なかったり、全身管理に関する保険診療の報酬項目が現実として存在しないことに、結局、国からは歯科医は医師としては見られていないということだなと思っていたし、現実に血液データを読める歯科医なんて一般開業医では皆無といっても良い状態だったのは事実である。
実際にやってもいないことでも平気で請求出来るシステムを長年に渡りなんとか運営してきたが、それも財源があってのこと。まぁ、会員を含め、1億円も献金して領収書さえももらえず、あまつさえ貰った方は記憶にないとまで言われる始末の歯科医師会が中心母体では致し方ないと言わざるを得ない。
財源を保護するには、本当に必要な診療行為にしか報酬は出さないという姿勢にならざるを得ないのは分かっているだろうに。
本当は、昔から歯科医師会を中心に自らがこのような方針で診療報酬体系を構築してくれば、医科とのこれだけの報酬格差もなかっただろうし歯科医自体の医師としてのレベルももっと上がっていただろう。
なにはともあれ、結果的には歯科医の淘汰が加速されるのは間違いがない。これを好機と捉えられる歯科医でいられるかが問題だ。
なかには、林は保険をやっていないからすごくいいよな。うらやましい。などとのたまう輩がいる。
「じゃぁ、やってみな!」
林 晋哉。