歯科保険診療報酬改訂

今年4月1日から歯科の保険診療の報酬が改訂された。わかりやすく言うとかなり下げられたということである。これは、保険財政から言えば、至極当然のことである。なぜならば、保険の報酬を賄う財源がなくなって来ているからで、ない袖は振れないということである。

しかしこの改訂内容を同業から漏れ聞く限り、内容自体は少しマトモになって来ているように感じる。例えば、抜歯前に血圧を計ると報酬につながるようになったそうである。考えてみれば、こんなことは当たり前なのに今までやってこなかった方が不思議だし、抜歯前に血圧を知りたいと思う歯科医が圧倒的に少ないという現実は悪夢としか言いようがない。

以前から、歯科で独自に患者の血液検査が保険で出来なかったり、全身管理に関する保険診療の報酬項目が現実として存在しないことに、結局、国からは歯科医は医師としては見られていないということだなと思っていたし、現実に血液データを読める歯科医なんて一般開業医では皆無といっても良い状態だったのは事実である。

実際にやってもいないことでも平気で請求出来るシステムを長年に渡りなんとか運営してきたが、それも財源があってのこと。まぁ、会員を含め、1億円も献金して領収書さえももらえず、あまつさえ貰った方は記憶にないとまで言われる始末の歯科医師会が中心母体では致し方ないと言わざるを得ない。

財源を保護するには、本当に必要な診療行為にしか報酬は出さないという姿勢にならざるを得ないのは分かっているだろうに。

本当は、昔から歯科医師会を中心に自らがこのような方針で診療報酬体系を構築してくれば、医科とのこれだけの報酬格差もなかっただろうし歯科医自体の医師としてのレベルももっと上がっていただろう。

なにはともあれ、結果的には歯科医の淘汰が加速されるのは間違いがない。これを好機と捉えられる歯科医でいられるかが問題だ。

なかには、林は保険をやっていないからすごくいいよな。うらやましい。などとのたまう輩がいる。

「じゃぁ、やってみな!」

林 晋哉。

19年前の5月

これは技工道具の中では使用頻度の高い彫刻刀。

主にワックス成型に使っています。

柄の部分に’87.5と彫ってあるので今月で丸19年の長い付き合い。

歯と身体の勉強を始めたのが丁度この頃、以来苦楽を共にした道具。

ここ数年で、歯と身体が関係しいる事は広く知られるようになったが、

正しい知識を持った歯医者が殆どいないのは19年前と変わっていない。

同じ道具を使っても結果は天と地ほど違う。

林裕之

フランス事情

最近、フランスで若者の暴動が問題になっていた。これは採用後2年以内は企業に自由な解雇を認めるフランス政府の若者雇用策「初期雇用契約」の施行がきっかけである。現在フランスでは若者の内、4人に1人が失業している状況である。

問題は、「なぜこうなったか。」ということである。フランスでは、一度、正社員になるとその雇用は厚く保護され、本当によっぽどひどくない限り解雇されない、逆に言えば、首に出来ないことによる。

実際に、明らかに法に触れる行為でもない限り、仕事をしない程度では解雇できないそうである。

この根底には、昔の奴隷制度があり、雇い主の我がまま勝手で首に出来ないように、ということらしい。

しかしながら、現実にはその精神は都合良く使われ、出来るだけ働かず楽をするのが得、というようなありさまになっているという。つまり、仕事が出来なくても仕事を失うことはなく、その分、若者には仕事が回っていかず仕事をするという世代の健全な交代がなされないということである。

  

フランスには頽廃を、日本には保守的な無関心を感じる今日この頃である。

 

林 晋哉。

地雷原に住む少女(23日TVドキュメンタリー)

カンボジアの地雷原には多くの人々が住んでいる。

地雷は殺す威力もあるが、傷を負わせ、その介護に人手を使わせ一度で複数の戦力を奪うことが主目的で作られた。故に残された地雷の被害は多くの障害者を生み続けている。

そこでは地雷撤去用の特別なパワーショベルを作り、命がけで働いている日本人の技術者がいる。

一方で、撤去しづらい地雷作りにその技術を傾けている武器輸出の技術者もいる。

時代や場所が違えばどちらの立場にもなりうる。

もちろんそこにしか住めない人にも……。

ここしか住むところが無いと答える少女が悲しい。