入れ歯には「一生モノ」は存在しない、ということも知っておいていただきたいと思います。
入れ歯は人工物で、しかも毎日使うものです。大切なのは、いかに管理し耐用年数を延ばしていくか、です。入れ歯が完全に壊れるまで放っておくのではなく、小さな故障が発生するたびに補修していく。
言ってみれば、カメラや時計をオーバーホールに出すようなものです。定期検診は年に2、3回は受けるべきで、こまめに調整を加えていけば、入れ歯の耐用年数はそれだけ長くなります。
入れ歯には「一生モノ」は存在しない、ということも知っておいていただきたいと思います。
入れ歯は人工物で、しかも毎日使うものです。大切なのは、いかに管理し耐用年数を延ばしていくか、です。入れ歯が完全に壊れるまで放っておくのではなく、小さな故障が発生するたびに補修していく。
言ってみれば、カメラや時計をオーバーホールに出すようなものです。定期検診は年に2、3回は受けるべきで、こまめに調整を加えていけば、入れ歯の耐用年数はそれだけ長くなります。
抜歯したときに出来た傷は、入れ歯の床(粘膜と接する部分)によって保護されます。
入れ歯の床と抜歯でできた傷口との間には、すきまを作っておきます。これは、傷が治ることを見越した処理です。傷が治るにつれて歯肉は盛り上がってきますから、あらかじめ余裕を持たせておくわけです。
歯茎が元に戻ったとき、床と歯茎がぴったりフィットするのが理想ですが、そこまで精密な予測は不可能ですから、すきまは大きめにしておきます。傷が治ってもすきまが残りますが、これは傷が完全に回復した後に床を裏打ちしてぴったり合わせます。
たいていの場合、床の調整は傷が治ったときの一回だけで済みます。
いざ抜歯する日が来て、患者さんがやって来たら、口から部分入れ歯を外します。外した部分入れ歯は、すぐに技工室に持っていきます。
診察室で歯を抜いている間、技工室では、予め用意しておいた入れ歯を使って「1本継ぎ足す作業」が行われます。継ぎ足した入れ歯は、抜歯した直後に口に入ります。その場で噛み合わせを調べて、必要な調整を全て行い、その日の治療はおしまいです。
帰宅した患者さんは、その日から普通に食事ができます。もちろん違和感は出ますし、「歯を抜いた」という痛みも残ります。しかし、入れたばかりの入れ歯でも、噛むことはでき、噛み合わせは保持されます。これによって、咀嚼システムへの影響を最小にできます。
「この歯は抜くのがベストだ」
そのような診断が下されたとき、私たちのところでは抜歯に先だって入れ歯を作ります。前もって入れ歯を作っておいて、抜いたその日に入れるのです。
たとえば、部分入れ歯を使っている人がいて、新たに1本抜くことになったとします。抜く予定の歯はグラグラになっていますから、これを一時的に固定して歯型を取り、技工作業の為の石膏模型を作ります。この模型上で抜くところに入れる1本分の義歯を予め作っておきます。
もちろん、歯は極力抜くべきではありません。不安定になりつつある歯があれば、まずはその原因を探って、「小さな治療」から始めるべきです。
仮に40歳の患者さんなら、その人の咀嚼システム、あるい口の中の秩序は、40年かけて築かれたものです。これをなるべく変えないようにするのは当然です。抜くのは最終手段です。
しかしその最終手段が、入れ歯を作るときとセットになることが多い。大切なのは「抜くのが正しい処置かどうか」「いつ抜くのがベストなのか」という診断と、「抜いたあとにどうするか」という準備が大切なのです。