内臓疾患から歯が痛むことがあることや、顎や首の痛みが心臓疾患の前駆症状であることを知っていることが、生死を分ける場合があることが解る興味深い記事と拙著に載せたコラムです。
【これで私は助かった!】“歯の痛み”は心臓の血管異変シグナル!
■戸川稔さん(44歳=仮名)のケース
初めは左の奥歯が痛い、というより「重い」という感じでした。虫歯の痛みとは異質の感覚で、今思えば階段を上ったときとか、重い荷物を担いで歩いたときに、この症状が出ていたような気がします。
定期的に歯科健診も受けているし、そもそも虫歯の痛みではないとは思っていたのですが、他に相談するところもないので、行きつけの歯科医院を受診。思った通り虫歯や歯周病などはなかったのですが、歯科医師が内科を受診するよう勧めてくれたんです。
聞けば、内臓疾患から歯が痛むことがあるとのこと。-中略-
私の場合はたまたま歯科医が内科の受診を勧めてくれたことや、普段楽天的な妻が今回だけ妙に心配するなど、いくつかの偶然が重なっての病気発見でしたが、おかげで命拾いができました。(全文は→https://p.tl/ZrmG)
実は、歯と心臓の病気については、11年前に文庫化された拙著『いい歯医者 悪い歯医者 (講談社プラスアルファ文庫)』に「噛み合わせと突然死の関係」と題して章の中に朝日新聞のコラムを載せています。上記の方とは対照的な内容です。
朝日新聞に、こんな話が載っていた。中学時代からテニスのライバルだった友人H(五O歳)が、茨城県のゴルフ場で急死した。日商社の部長であった彼は当日、前半のプレー後の昼食中、気分が悪くなり、ソファで休んでいた。ややあって仲間が声をかけようとしたら、そのままの姿で冷たくなっていたという。急性心不全だった。
.Hは病気とは無縁で、二ヵ月前の人間ドック検査でも、何の異常もなし。まさに突然死だ。だが、今から振り返ると、虫の知らせと思えるような言動や、前兆の症状が浮かんでくる。仕事に脂が乗り、ゴルフも好調だったらしいが、その週末は、会社の同僚と「今週は疲れたなあ」と話し、家でも「遠出のゴルフはいやだな」と洩らしていた。
プレーに入る頃から「顎のあたりが痛い」と言っていた。これこそ心筋梗塞の前駆症状だった。この時点で治療を受けていれば、一命を取り止めたかもしれなかったのに…..(1989年7月31日)