歯医者あるある〜良い歯科医師のツボ・・

今年の歯科医師国家試験に合格し、晴れて歯科医師の仲間となった私の母校の新卒歯科医師達が林歯科を訪れて来ましたので良い歯科医師になるためのミニレクチャーをしました。
 

良い歯科医師のツボ・・

良い歯科医師になるためのツボは沢山あるのでしょうが、それは各自が経験を通して消化していくしかありません。私が新卒ドクター達に伝えたのは、各自が経験を通して正しく成長していくための心構えです。

①:患者さんは、嘘を言いに来ているわけではない。
患者さんは時に医学的にはあり得ない訴えをすることがあります。例えば神経のない歯が冷たい水でしみるなどといったものです。その時いきなりそんな事はあり得ませんと頭から否定してしまう歯科医師がいます。それは決してしてはいけません。

患者さんは嘘を言いに来ているのではありません。患者さんがそう感じているのを事実として、その上で様々な可能性に対して考察しその事象を突き止める。これを診察と言うのではないでしょうか。

②:患者さんが不快感や不安を感じない手触りを強く意識する。

患者さんは、基本的に歯医者には嫌々来ているので、少しでも治療行為にストレスを感じないようにするのは医療者としては当たり前であり、口の中に手を突っ込んでする仕事ですからこの手触りを意識するのは歯科医師として最も大事と言っても過言ではないと思います。

例えば、髪を切りに行ったときに乱暴な感じの手触りだとイラっとしますよね。でも、歯科医師としてのレクチャーではこのことについて言われたという話があまり聞こえてこないので、何でかなと思っていました。

③:色々な学説、理論はあるが、正解は患者さんから学ぶこと。
色々な説や素晴らしい薬品、材料と思えるものに出合いますが、すぐに鵜呑みにするのではなくしっかり自分で正しく取り扱い、その結果を患者さんから教えて頂くという姿勢が大事ということです。

インプラントメーカー主催の研修会に何度か参加したくらいで、うまくきちんとしたインプラント治療が出来る訳がないと思うのは私だけでしょうか。

歯医者あるある – ロケットニュース24

最後に、原田たかしさんという方がロケットニュース24に書かれた、患者から見た歯医者あるある30連発というものがありましたのでそれを引用、紹介させてもらいます。

基本的に患者さんはこのような感覚を持って来院されていることを肝に銘じて良い歯医者を目指し続けましょう。

ロケットニュース24 【歯医者あるある30連発】

1. 歯医者に行く足取りが重い

2. 待ち時間がとにかく恐怖

3. 診療室から「キュイーン」と聞こえるだけで心臓バクバク

4. 子供が泣いているとこっちまで泣きたくなる

5. 治療していると唇が乾燥しまくる

6. いまだに舌のベストポジションがどこなのかわからない

7. ていうか、目線もどうしたらいいのかわからない

8. とりあえず天井かライトを見ておく

9.「痛かったら教えてくださいね」が恐怖のはじまり

10. 痛くても手を上げずに我慢してしまう自分がいる

11. 意を決して上げる → 先生「もう少し我慢してね」→そんなぁ……

12. 溜まった唾液が吸引して欲しい時に限って放置プレイされる

13. やべっ、自分の唾液で窒息するかも……

14. 奥に溜まっている唾液を器用に移動させてなんとか呼吸する

15. 溜まりすぎてもうダメだ → 飲んじゃった

16. 吸引器で頬っぺたや舌まで吸われる

17. うがいの時間が唯一ホッとする時

18. 麻酔した場所から口にふくんだ水が出る

19. 治療時間がめちゃくちゃ短い時がある

20. そんな時は緊張した時間を返して欲しい

21. 何回行っても慣れない歯医者

22. もう行かないでもいっか……なんて考えが頭をよぎる

23. が、歯は大事なのでほったらかすよりも歯医者に行くことを選ぶ

24. 歯ブラシの使い方を教えてもらうと次からは気をつけようと心に決める

25. でも次第にやらなくなる

26. 雑な磨き方をしてまた虫歯

27. 何度でも歯医者に行く羽目になる

28. 久しぶりに行くとメチャ緊張する

29. 絶対に1回の治療で終わらない

30. どんな人気店よりも予約ができないのが歯医者


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2歯列矯正やマウスピース矯正で「噛み合わせ」がメチャクチャ…物が噛めなくなる事例多発

「目からウロコの歯の話」林 晋哉 | Business Journal

第17回 2歯列矯正やマウスピース矯正で「噛み合わせ」がメチャクチャ…物が噛めなくなる事例多発

筆者のクリニックに、成人矯正後の不具合を訴える初診の患者さんが来ました。主訴は、「奥歯が当たらず物が噛めない。顎をどこにやったらいいかわからない」といった症状です。歯列矯正という歯科治療を受けた結果として、物が噛めなくなったのです。口の健康に寄与するための歯科医療としては、決してあってはならない出来事です。

もし、自分の口が、噛んでも奥歯が当たらない噛み合わせだったとしたら、と想像してみると、恐ろしいかぎりです。

歯並びと噛み合わせ

多くの人は、「歯並び」と「噛み合わせ」を混同して捉えているようです。つまり、「歯並びが良ければ、噛み合わせも良い」と思われているようですが、歯並びと噛み合わせはまったく別のものです。歯並びは「歯の並び具合」、噛み合わせは「上下の歯の接触の状態」です。したがって、上の歯の1本が引っ込んでいたら、噛み合う相手の下の歯も引っ込んでいてしっかり噛み合っており、顎を動かしたときに引っ掛かるなどの邪魔になっていなければ、噛み合わせ的には問題ありません。ただ歯並びが悪いだけです。このように、歯並びの悪さが機能障害の要因にならないケースでは、歯列矯正をはじめとするすべての歯科治療は必要ありません。
 
しかし、見た目がどうしても気になるということで歯科的なアプローチをするのであれば、それは美容目的の施術となります。歯科大学で教わる歯科矯正学を簡単にまとめると、歯科矯正とは「不正咬合を正して、顎・口腔機能と審美性の向上を求めること」です。つまり、「歯を移動させる矯正という手段によって咬合(噛み合わせ)を改善し、口の働きと見た目を向上させること」と言い換えることができるでしょう。

では、歯並びと噛み合わせは、矯正によって同時に手に入れられるものなのでしょうか。筆者の見解としては、両方を確実に得ることは無理だと思います。もし、それができるのであれば、成人矯正後に不具合を訴える人はいないでしょう。医療の本質を考えれば、優先されるべきは見た目ではなく機能です。なぜならば、機能や健康を損なってまで得なければならないものはないからです。(文=林晋哉/歯科医師)【Business Journal- 続きを読む】

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8020(ハチマルニイマル)運動の本質 | その2

8020運動開始から23年後

前回の「8020(ハチマルニイマル)運動の本質 | その1」から続きます。平成23年「歯科疾患実態調査報告」では70歳代での平均喪失歯数は約11本で、親知らずを除けば70歳代で残っている歯の数は17本となり、現実的に70歳代で歯を20本残すのは難しく、実際に80歳で20本以上歯の残っている割合は38.3%でした。

私は現在50代半ばですが、すでに4本の歯を失っていますし、しっかり治療し管理してもこの先10年は持たないだろうと思う歯が複数あります。

8020運動においては、私は明らかに脱落者になるでしょう。私は高齢になった時、高い健康度を保つことは難しいのでしょうか。統計上は有為の差を持ってそうなのでしょう。

歯科医師として見た8020運動

でもそれっておかしくないでしょうか?歯科医師は、歯が少なくなってしまった人でも歯科医療の恩恵によって歯が20本以上残っている人と変わらない健康度を提供することが役割なのではないですか?

全身の健康を考えると、80歳で自分の歯が20本ないといけませんよ、と言わなければならないのは歯科医師として「敗北宣言」なのではないですか?

80歳で歯が20本以上残っていると健康度が高いので、とにかく20本以上の歯を残すようにして下さいと啓蒙だけして、ではこうすれば80歳で20本の歯が残りますという確実な方法を示さずに、歯を失った人には、まるで歯を失ったあなたが悪いかのような風潮となっているような気がします。

私は以前からずっとこのよう違和感と疑問を持っていました。また、歯科界から同じような意見が出てくると思っていました。
歯医者としては、「歯が無くなってしまったのは残念ですが、でも大丈夫ですよ!」と言えることが歯科医療の本質でしょう。

8028を目指して

もともと80歳で20本は歯を残そうというのが中途半端な感があります。どうせなら親知らず以外の全ての歯、28本を残すことを標榜すれば良いではないですか。でもなぜか、80歳では何本かは歯を失うことが前提になっているようです。

歯にも寿命があるということでしょうか。しっかりと歯を磨き、歯科医院でこまめな定期健診を受け、必要な処置と管理を励行すれば虫歯にも歯周病にもならないとされているのではないですか。

歯科の進歩

歯周炎についてのブログでも述べたように、ミクロ的には歯科疾患の原因因子をあまりにも細菌だけに求めていないでしょうか。

歯周炎についての研究は遺伝子レベルでの解析などにより非常に速い展開をなしており、今後の歯周炎治療の激変が予想されます。

またマクロ的には、歯科はまだあまりにも「歯」にとらわれていて、「口」という器官の医師であろうとする姿勢に欠けています。
今後の歯科の進歩は、「歯科」から「口腔科」へ転じることにあると私は確信しています。

8020推進財団のホームページは面白い

 8020推進財団のホームページは非常に有意義な情報が満載です。「楽しい歯のマメ知識」や「医療関係者の皆様へ」から入ったページには「口腔と全身の健康状態に関する文献調査報告書」など多くの論文が掲載されております。
 
一度訪ねてみることをお勧めします。

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8020(ハチマルニイマル)運動の本質 | その1

8020(ハチマルニイマル)運動

皆さんは、8020運動というものをご存知でしょうか? 8020運動は平成元年に厚生省と日本歯科医師会により推進され始まり、平成12年には8020推進財団が設立されるに至りました。

この財団のホームページによれば、「歯科に関係のある各種団体、企業の協力のもと平成12年12月1日、厚生大臣(現厚生労働大臣)の許可を得て設立された」とあり、「その事業活動は、8020運動の推進はもとより、 口腔と全身との関係に関する情報の 収集・提供・調査研究などを主な柱としています。」とのことです。

ホームページ冒頭に「“8020”は“ハチ・マル・二イ・マル”と読み、 「8020運動」とは“80歳になっても20本以上自分の歯を保とう”という運動です。」とあります。
 

8020運動の成り立ち

もちろん幾つになっても自分の歯がたくさん残っていた方が理屈抜きに良いのは当然ですし、私も出来得る限りそうありたいと願っています。

この8020運動が始まった経緯は、歯がたくさん残っている人の方が咀嚼能力が高く、また全身の健康度も高いという事実に基づいています。

歯がたくさんあり、よく噛んで咀嚼することにより、脳の活性化、免疫力アップ、ガンの抑制、肥満予防などの効用があり全身の健康度が上がる。そのためには統計的に20本以上の歯があることが望ましいということです。
 

歯を長く保つ

では皆さんは、80歳で20本の歯を残すための具体的な「これっ」という目新しい方法をお聞きになったことがあるでしょうか。無いと思います。実は、歯を長く保つ方法は約30年前の平成元年と現在とでは、ほとんど変わっておらず「これっ」という目新しい方法は発見されていません。

今も30年前も、歯を良く磨く(歯間ブラシやフロスも使う)、こまめに歯科で管理を受ける(スケーリング、歯を良い状態を保つ)の2点にまとめられてしまうもので、強いて言うならば30年前には今ほど喫煙の悪影響は言われていなかったくらいでしょうか。

8020運動で医療費削減?

80歳で20本残すことを財団まで作って強く推進するということは、逆に歯の本数が少なければ統計的にその人の健康度が落ちるということです。これが意味する一つの側面には、歯をたくさん残すことにより、高齢になっても高い健康度を保ち医療費の削減に繋げたいということです。

現在、医療費の高騰により将来的な医療保険の財源に明確な不安があるのは周知の事実です。どんな理屈があろうとなかろうと医療費の削減に繋がる事柄があるのなら、その方法を確立することは国として急務に違いありません。

また歯がたくさんあることで、高齢であっても高い健康度を保てるのならご本人にも非常に良いことで、何も問題はなく良いことづくめです。

以下、次回(8020運動の本質〜(その2)「歯科医師として見た、8020運動」に続く。

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歯科医の間違った治療で歯を失う危険蔓延!安直なブリッジで歯がまとめて抜け落ち

第16回 歯科医の間違った治療で歯を失う危険蔓延!安直なブリッジで歯がまとめて抜け落ち

歯にも平均寿命があります。かなり個人差が大きいのですが、一番短いのは6歳ごろ生える奥歯の第一大臼歯です。45歳を超えたあたりから、歯周病などで失うことが増えてきます。歯を失ってしまった場合は、その部分をそのままにせず、入れ歯やブリッジなどで補うことになるのですが、両隣の歯を削って被せる、高リスクのブリッジが主流です。

ほとんどの歯科医は、無条件でブリッジを選択し、患者さんにも当然のように説明し、装着しています。写真は、他院で治療したケースですが、歯根ごと抜けてしまったブリッジです。左上の第二小臼歯をなんらかの原因(おそらく歯周病)で失い、その部分を4本のブリッジで補っています。通常は3本で済むところ、1本増やして4本ブリッジにした理由は不明ですが、3本より4本のほうが治療代はかかります。これは自費のブリッジなので、30~50万円はしたと思われます。【続きを読む】

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