インプラントがはずれて噛めない話せない

50歳代(来院当時)の男性は、ブレードというタイプのインプラントで失敗して、痛くて噛めないということで来院されました。

ブレードとは今のようなピン型のインプラントではなく、板状のものを埋めるインプラントです。

現在ではこのインプラントはほとんど使われることはないそうですが、インプラントの黎明期に治療を受けた人は、これが使われている方もいると思います。

6つの突起を持った4枚の板状のインプラントを入れていましたが、私たちのところに来たときには「よろしくお願いします」といってしゃべると、前歯のところのブレードが完全に離脱して、ブレードごとポコンと落ちてくる状態でした。

歯ぐきも切れているし、インプラントに固定された人工の歯は、奥歯のインプラントのところだけかろうじて歯ぐきにつながっているので前歯のブレードが上あごの骨と口の中を行ったり来たりしている悲惨な状態でした。
当然、インプラント部周囲は炎症をおこしていました。日常的に痛いのはもちろん、まともに話せない状態で、ものすごいストレスだったと思います。

このインプラントを入れたのは、某歯科大学の教授を退任し開業した、当時有名なインプラント医だったのです。

「こんなインプラントではどうしようもないので、先生、入れ歯にしてください」といわれたのですが、私たちは悩みました。その状態では歯型さえも採れないからです。

その後の治療法はやや専門的になりますので、ここには記しませんが、上手く総入れ歯に移行して事なきを得ています。

詳しくお知りになりたい方は、拙著「歯医者の言いなりになるな!」角川oneテーマ21新書をお読み下さい。

「入れ歯は合わない」と「口を揃える」

”入れ歯は合わない”というのは歯科医が作った偏見です。私たちは、入れ歯の良さを知っていますし、自分でも使っています。私たちのところで治療を受けた患者の皆さんは、入れ歯の効用について十分理解されています。

ところが、あいかわらず、入れ歯にはマイナスイメージがつきまといます。

まず、入れ歯は合わないものと思い込まされています。入れ歯安定剤のコマーシャルなどの影響も大きいかもしれません。しかし、これは入れ歯自体に問題があるのではなく、入れ歯の作り方に問題があるからなのです。

歯科医のなかには入れ歯がなぜ合わないかの理由すらわからない人が大勢います。当然、そういう歯科医は、うまく入れ歯が作れません。そして、入れ歯がうまく作れない歯科医は、さんざん嫌な思いをしているので入れ歯という治療手段を選ばなくなってしまうのです。

自分の腕の無さを棚に上げて「入れ歯は合わない」と「口を揃える」のです。

食事のときには入れ歯をはずしていた!?

58歳(来院当時)の男性は、入れ歯に不具合があるので、現在入れている部分入れ歯をチェックして欲しいということで来られました。

上顎にチタンという金属を使った入れ歯を入れていましたが、この金属部分が割れてしまっていました。
これで分かるのは、この患者さんは噛みしめの癖が非常に強いタイプの方なのです。

常に金属部分が割れる程の力で噛み締める癖があるのでこの入れ歯は歪んでしまい、隙間が空いてしまっていて、全然合っていませんでした。

その結果、この入れ歯で食事をすると痛いので全然噛めず、食事の時ははずして数本残っている右側の自分の歯だけで噛まざるを得ないというのです。

そこで、入れ歯を作り直すことになるのですが、この患者さんのケースで最も大事なのは、徹底した噛みしめ対策を行い、噛みしめ癖を弱めなければどんな入れ歯でもすぐに歪んだり、壊れてしまうということです。

この時大切なのは患者さん自身が悪いのではなく、噛みしめるという悪い癖が強く身に付いてしまっているということへの気付きと、それを改善しないと入れ歯治療がうまく行かないということを十分理解してもらうことです。

この前提がないと、患者さんとしては普通に生活しているだけで強く噛みしめているという自覚もないのに、入れ歯を割る程強く噛むあなたが悪いというような見方をしてしまうと、患者さん自身も、それならば「強く噛んでも割れない入れ歯を作ってくれ。」となってしまいますし、もし割れない入れ歯が作れたとしても、噛みしめる癖があれば、粘膜が痛くなってしまうのは当然の理なのです。

こうしたことを踏まえて、出来うる限りの工夫も施し、上下ともに優しく噛み合わせられるように作りました。その後は定期的にメンテナンスに来られて、それから11年間その入れ歯を使っています。

このように、一人ひとりの患者さんの噛みしめ癖などをきちんと把握して、その人に合った方法で入れ歯を作り、管理していくことが、とても重要なのです。

「歯医者の言いなりになるな!」角川oneテーマ21新書より抜粋

「キスの時、歯並びが気になる」人は5人に1人。

「歯並びと恋愛の関係って?」と銘打った興味深い記事を見つけました。

歯科矯正器具の輸入・販売を行う有限会社TPオーソドンテックス・ジャパンが、社会人男女各200名、計400名を対象にした「歯並びと恋愛に関する調査」を行い、その結果を発表しました。

https://www.koikatsu-news.com/news_stsB4m3KC.html

要約を記してみます。

*自分の歯並び4人に1人が「全く自信がない」

まず、自分の歯並びに関して自信があるか聞いたところ、「自信がある」と回答したのは34.5%

「自信がない」と回答したのは65.5%(「全く自信がない」26.0%と「どちらかといえば自信がない」39.5%の合計)

また、彼氏がいる女性で「自信がない」の割合は73.5%と、全体よりも8ポイント高くなっており、付き合っている彼がいるからこそ自分の歯並びが気になり、自信がなくなってしまうという結果に。

番外編として、キスをする際に歯並びが気になった経験があるか聞いたところ、約5人に1人がキスの時に歯並びが気になった経験があることがわかった。

「歯並びが綺麗な人」にどのようなイメージを持つかという質問には、「清潔感がある」では「そう思う」が 88.5%と最も高くなった。

続いて

「健康的である」    (82.3%)

「美容にこだわっている」(56.0%)

「育ちが良い」     (46.5%)

歯並びが綺麗なことで、その人の育ちの良さや自己管理能力が高く見られたりすることが分かった。

と、この記事は締めくくっていますが、だからと言って安易な歯列矯正は禁物です。

歯並びが悪いと噛み合わせも悪いと相変わらず誤解されていますが、そんなことはありません。
安易に歯並びを変えると思わぬ副作用に苦しむ事があります。

↓↓要注意です。

ソーシャル・ネットワーク

先日、「ソーシャル・ネットワーク 」を観てきました。

日本ではイマイチ広がらないフェイスブックですが、その立ち上げからブレイクするまでの顛末を描いていて、非常に面白かったです。

詳しい映画評は大勢の方があれこれ語っていますので、そちらに譲り、個人的にもの凄く印象に残った台詞があったのでその事を。

この映画でもキーマンになっていましたが、Napsterの創業者ショーン・ファニングの台詞です。

「オレは裁判に負けたけど、レコード会社には勝った。今、誰がCDを買う?」

ネットも、音楽ダウンロードの仕組みなども、チンプンカンプンな私でも、Napsterが話題になっていた事は記憶にありました。

善くも悪くも今では音楽配信が当たり前なのですから、彼が時代の申し子だったことに今更ながらハッとしたのです。

フェイスブックもそうですが、若さは何かを変えるよなぁ。

歯科界にも若い変革者が出てきて欲しい。

5つ☆☆☆☆☆のオススメ映画です。