誤解と偏見

人によって早いか遅いかの遣いはあっても歯が失われていくのは自然の流れなのですから、入れ歯になっても自分を責める必要はまったくありません。

失った歯は入れ歯で補えば噛み合わせバランスを維持することができます。

入れ歯を嫌う人は、いろいろと欠点をあげますが、誤解と偏見によるものばかりです。食べ物の昧、かし芯くなる、くぐもった声になるというのも、「たぶんそうなるに違いない」という誤解にもとづくものです。

多くの場合、入れ歯という人工のものに慣れるまでの一時的な現象で、慣れてしまえば消えるものです。

入れ歯は年寄りくさくて嫌いという人もいますが、歯を失ったことを軽く考えてはいけないのです。噛むととは私たちが健康を維持することと密接な関係があります。

いい歯医者なら、「入れ歯でよく噛めることができる大切さに目覚め、入れ歯を受け入れて使いこなせるようになりましょう」とおすすめします。

入れ歯とは

歯にも寿命があり、年をとると歯周病で歯が失われることを紹介しました。

失われた歯の代わりをするのが入れ歯(義歯)です。入れ歯とは取り外しがきくものをさします。つまり自分で取り外しができる歯です。

入れ歯には「部分入れ歯」と「総入れ歯」があります。1本でも歯が残っている状態に入れる場合が部分入れ歯で、1本も歯が残っていないところに入れるのが総入れ歯です。

ブリッジよりも1本入れ歯がいいことを紹介しましたが、1本入れ歯も部分入れ歯です。またよと下の歯が同本ずつの場合、部分入れ歯は1本入れ歯から13本入れ歯までできる勘定になります。

ところで、一般的に差し歯と呼ばれているものは、歯の根っこの神経をとってその穴をきれいにしたあとで芯棒を立て、人工の歯をかぶせる方法です。この場合は取り外しができませんので入れ歯ではないのです。

歯周病の原因のキーポイント

歯周病の進行を遅らせることは十分に可能だと述べましたが、いい歯医者ならそのヒケツが噛み合わせバランスをよくすることにあることを教えてくれるはすです。

噛み合わせバランスが悪いと1本の歯に週重なストレスがかかり、その結果、歯の組織がもろくなり虫歯菌におかされやすく芯ることを紹介しましたが、ストレスがかかる歯の周りの組織ももろく芯り、歯周病におかされやすい状態になります。

歯周病が年をとると起きやすいのは、老化とともに視力が衰えたり、耳が遠くなるのに似て、歯と歯茎が老化で弱くなるがらですが、そこに噛み合わせパランスが悪いことによる負担が加わるのではたまったものではありません。

歯周病が進行し、歯のグラつきが改善され芯い場合には歯を抜く必要も出てきます。歯を抜くことで噛み合わせバランスを回復することができるからです。

50歳は歯の健康の曲がり角

お肌の曲がり角はン歳といわれます、が、私は歯の健康の曲がり角は50歳前後と考えています。

歯を失う最大の原因は歯周病ですが、50歳を迎えるころから歯周病が病的状態となってくる人がグンと増えるからです。

歯周病は文字どおり歯の周りの組織に起きる病気です。以前は歯槽膿漏といいました。

歯の周りで歯を支えている組織には歯根膜、歯槽骨、歯茎(歯肉)などがあります。歯と歯茎の聞の溝(ポケット)に歯垢や歯石がたまると炎症が起きることを紹介しましたが、この状態が歯肉炎です。

歯茎は腫れていますが、歯根膜や歯槽骨はまだおかされていません。炎症がさらに進むと歯根膜や歯槽骨にも炎症が広がり歯周炎を起こします。

やがて組織が歯を支えられなくなるまで悪化すると歯が抜け落ちる原因となります。歯周病は老化により起きやすいのは事実ですが、進行を遅らせることは十分に可能です。

日本人の歯の平均寿命

日本人の歯の平均寿命は前歯が66年、犬歯が71年、小臼歯60年〜61年、大臼歯
が49年〜51年といわれています。

この数字は約9年前に発表された厚生省(当時)の調査結果によるものですが、歯の平均寿命は歯を失う年代にあたります。歯の寿命は個人差が大きいのです、が、あなたの場合はいかがですか。

いま日本人の平均寿命(2005年)は男性約78歳、女性約85歳ですから、すっと自分の歯で全うするのはむすかしいでしょう。70歳を週きると約4割の人が総入れ歯になる勘定です。

年をとるにつれ歯が抜けていくことは老化による自然なことでもあるのですが、加齢により歯を失うときは、何本もの歯がゴソッと一度に抜けるということはないのです。

1本抜けると残りの歯が噛むバランスを維持し、ストレスがかかった歯がもう1本、というように1本すつ順々に抜けていくのです。