口を使う職業

昨日のブログを見た旧知の歯科医からメールが届きました。

「口の中は神の領域。読みました。ただ、ひとつ、ぬけてますね口を仕事で使う人もいます。Hな意味ではありませんよ(笑)東京で勤めてたとき、こんな患者さんがいました。江戸風鈴を作ってるおじさん。あのガラスで出来てる丸いやつです。で、このおじさんの前歯部がキレイにガラスの棒を型どった様に半円形に磨耗してました。その歯がしみて来院されたのですが、このままにしてほしいと言われたのですが、抜髄なんかしたら歯牙崩壊しそうだったし。。苦労しました。畳職人とかも、歯や口で糸をひっぱったりするみたいですし、口は職人関係者にとって大切な商売道具ですなf(^_^; 」

なるほど納得です。

そう言えば、昔見た「徹子の部屋」(多分)でジャズトランぺッターの日野皓正 さんが、自分の歯型を常に持ち歩いていると言っていました。

今と同じ歯の形でないとトランペットが吹けなくなるから、世界どの国で歯の治療を受ける事になっても困らないためだそうです。

口を使うプロですね。

口のなかは神の領域

口は生きていく上で重要な役回りを何役もこなす千両役者といえます。

哺乳、咀嚼、吸引、嚥下、味覚、呼吸、さらにコミュニケーションや、キスという愛情表現に至るまであらゆることをこなす、すごく奥深い器官なのです。

なかでも生命を維持するための栄養を摂取する消化管の入口としての役割は特に重要です。

口は、とんかつを食べて、キャベツを食べて、みそ汁を吸って、そこに紛れ込んだ髪の毛一本を感知してその髪の毛だけを選り分けて口の外へ取り出すという 神業を持っているのです。

ささいな異物を選り分けて取り出す、感知することができる、とても鋭敏にできている器官です。最小で、20ミクロン(1ミリの5 分の1)のものを感知できるのです。

まさに口のなかは神の領域なのです。歯も鋭敏な感覚受容器ですから、安易に手をつけてよい筈がありません。

「歯医者の言いなりになるな!」角川oneテーマ21より抜粋

日韓戦と顔と選手寿命

激しいゲームでした。サッカーの醍醐味を堪能させて貰いました。29日の試合も楽しみです。ぜひアジアチャンピオンになって欲しいですね。

サッカーとは別に少し面白い事に気が付きました。試合前の整列したベンチを含む両国選手をカメラが映し出すと、顔貌の違いが割とはっきりしていました。

「咬合と全身」の勉強を始めた頃、人類学で日本人のルーツも勉強しました。その当時に教わったのは、いわゆる二重構造モデルで、スンダドント(南方系モンゴロイド)が日本列島に先住し、シノドント(北方系モンゴロイド)が渡来して、日本人はその両方の特色が混在してとされる説です。
(二重構造モデルについてはこちらでどうぞ↓)
https://www.geocities.jp/ikoh12/honnronn1/001honnronn_01_1.html

その顔貌の特徴が夕べの韓国の選手の顔に見て取れました。一番の特徴は切れ長の一重の目で、北方系モンゴロイドの典型とされています。

一方日本の選手は、一重も二重も混在していて、まさに両国の違いが顔に出ていて大変興味深い画像でした。もうひとつ思ったのは、両国ともサッカーの選手は美容目的で顔や歯をいじってる人が殆ど見当たらないこと。

運動能力で勝負しているのですから、当たり前なのでしょうが、大変良い事だと思います。両国の俳優、歌手、テレビタレントなどが、安易にいじった顔や歯ばかり見せられているので、ナチュラルな顔をみて妙に新鮮に感じました。

美容目的で歯を大きくいじると、選手寿命は短くなります。選手の皆さん気をつけて下さい。

悪いのは誰?

実は、患者さんのためを思って誠心誠意説明しても解ってもらえない事が、ままあるのです。何も専門用語を羅列している訳でなく、ごく当たり前のことが理解されない時、途方に暮れます。

ある誠実な歯科医の実際の嘆きです。
良くあるケースは奥歯も前歯も治療が必要な場合です。

今も患者さんと話していて考えましたが、、、
まったく理解しない、しようともしてくれない。これも現実です。

今日もあったのですが、「前歯がグラグラしてしまう原因は、奥歯がないために、前歯に噛み合わせの無理な負担がかかってしまうので、グラグラ動いてしまうのです。ですから、先に奥歯を治して噛み合わせを回復しながら前歯も治しましょう。」と一生懸命話しても、とにかく前歯だけ治してくれーの一点張り。

同じ説明を今日で3回目….。

すぐにダメになってしまう治療はしたくないのです。
本当に患者さんのためを思えばこその説明です。

このままではきっと、前歯の体裁を取り繕うだけで終わらせる歯医者に行ってしまうかも……。

そう思うと心が折れそうになる

患者さんの意識

医療者の意識

医療制度

一体悪いのは誰?

この3つを同時にかえなければ。と思うのですが……。

歯医者のいない時代

寒い朝が続くと時々思い出す光景があります。小学生のころ歯医者の順番待ちで冬の朝早くから並んだのです。

昭和40年代前半の話ですが、当時は歯医者さんが少なく、朝から患者さんの順番待ちの列が出来ていました。その時は自分の歯が痛かった記憶がないので、おそらく父か母の代りに並んでいたのだと思います。

歯科医師過剰で患者さんを奪い合っている今では考えられない光景です。治療法も治療器具も今とはかなり違うでしょう。

私の母も前歯に額縁のように金冠を入れていました。歯石取りなんて言葉は誰も知らないそんな頃の思い出です。その10数年後に、歯科医療に兄弟で携わることになろうとは夢にも思っていませんでした。

今では人生の半分以上を歯科の世界で過ごしていることになります。