「歯の構成比」と4:2:1の食物バランス 

人間は雑食です。塩と水以外は命のあるものをいただきます。植物性、動物性何でも食べます。その食べ物をバランスよく摂るには、どんな割合で食べればいいのでしょうか?

その答えが「歯の構成比」に現れているというのは古くて新しい教えです。

歯の図

歯の数は上下の顎にそれぞれ14本 計28本あります。(親知らず/第3大臼歯は除きます。)

臼歯 (奥歯)   穀物や豆などをすりつぶすための歯  16本
切歯 (前歯)   野菜や海草をかみ切るための歯     8本
犬歯 (糸切り歯) 肉や魚などを食べるための歯      4本

上下の顎 で 計28本です。

この割合は、全ての人種にほぼ共通のものです。(親知らずがしっかり生えて臼歯が20本の場合もあります。)

この歯の構成比に食べ物を当てはめてみると、

主食 (臼歯)  炭水化物(穀類・豆類・芋類): 4
副食1(前歯)  野菜・海草類など: 2
副食2(犬歯)  肉・魚など: 1

4(炭水化物):2(野菜・海草類):1( 肉・魚)となります。

とても健康的な良いバランスだとは思いませんか?歯は食物を噛み砕き、消化酵素を多く含む唾液と良く混ぜ合わせる消化器の入り口でもあります。

歯の構成比と同じ食べ物を、良く噛んで食べるのが一番身体に合っているのだと思います。4:2:1の食物バランスを毎日の食事の参考にしてください。

顎・口腔系のストレス

治療していた歯科医は、ブリッジの調整しかしていませんでした。つまり、歯列全体の噛み合わせは見ていなかった。これでは何度調整しても症状がなくならなかったはずです。

この患者さんの治療をするとき、真っ先に手をつけるべきは奥歯です。ブリッジを調整したり、作り直すよりも先に、奥歯を中心に全体のバランスが良くなるような調整を加えていかなければなりません。

慎重に経過を見ながら調整を進めていったところ、噛み合わせのバランスは良くなり、結果、会話にも食事にも不具合がなくなりました。同時に、頭痛や肩こりが消えました。「足が痛くて冬でもサンダルしか履けない」は「普通の靴が履ける」になり、全身のだるさも治療とリハビリを進めていくにつれて軽減されましたから、諸症状の原因はやはり顎・口腔系のストレスだったといえます。

奥歯の噛み合わせ

さらに詳しく話を聞いてみると、歯以外のところにもさまざまな症状が出ていました。

頭痛、肩こり、耳鳴りが起きていたほか、足が痛くて冬でもサンダルしか履けないとのこと。さらには、体が四六時中だるく、食事の仕度をするとクタクタになってしまい、20~30分は横になっている、という話です。

こうした症状について、ご本人は60歳のときに受けた心臓弁膜症の手術のせいだと思っているようでしたが、噛み合わせの狂いが原因である可能性は充分に考えられます。

調べてみると、ブリッジの部分がおかしかったのは言うまでもありませんが、狂いが大きかったのは奥歯のほうでした。合わないブリッジは、前歯だけではなく、奥歯の噛み合わせも狂わせていたのです。

前歯が飛び出していた

9年ほど前に来院した六一歳の女性も、そのケースです。この患者さんは左上の奥歯3本にブリッジに入っているほか、すべての歯が残っていました。残った歯の状態は良く、虫歯らしい虫歯もほとんどありませんでした。年齢からすれば、かなり丈夫な歯の持ち主です。

しかし、前歯が飛び出していた。一見してそれとわかるほど、前歯が飛び出しています。

話を伺ってみると、ブリッジを入れる以前は、前歯の飛び出しはなかったとのこと。その段階で考えられる可能性は、ブリッジの大きさが適正なものでない、ということです。大きすぎるブリッジを入れたために、歯列全体が圧迫され、前歯が押し出されてしまったわけです。

むろんこうなれば見た目が悪くなりますが、一番の問題は口の開閉に支障が出ていたことでした。話をするとき、あるいはものを食べるとき、飛び出した前歯が下唇に当たってしまい、激しい痛みが出ていたのです。当然、人と話をするのは苦痛になります。食事にも不都合が出ていて、豆腐や煮魚などやわらかいものばかり食べている、という話でした。

歯科医に不調を訴えたところ、その歯科医はブリッジの咬合面を削って調整をしたそうです。しかし、一時的には良くなるものの、しばらくするとまた元に戻ってしまう。何度やっても同じことのくり返しなので、とうとうその歯科医に見切りをつけ、私たちのところにやって来たわけです。

ブリッジの最大のデメリット


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写真は、ある患者さんが使っていたブリッジです。

歯の根が付いたままです。低く見積もっても40万円はする自費のブリッジです。このような写真があるのは、むろん抜けてしまったからです。左上の臼歯を一ぺんに失ってしまいました。

このブリッジには、土台となる歯が3本あります。通常、土台となるのは抜けた歯の両隣りだけですから、1本余分に土台を作っているわけです。

土台を3本にした理由は定かではありませんが、おそらくこのブリッジを作った歯科医は「橋げた」が多いほど「橋」が安定すると考えたのでしょう。あるいは、小さな虫歯があった。虫歯を削るついでに、土台にしたわけです。

歯とブリッジの結合部分を見ると、ぴったり合っています。これを作った技工士は、相当な腕前です。

しかし、このブリッジは、抜けました。土台となる歯は通常よりも多く、歯とブリッジの結合部分がぴったり合っているし、高額な治療費をかけたのに抜けてしまった。

抜けた原因は色々な要素が複雑に絡み合った結果でしょう。しかし一言でいえばその歯が耐えられるストレスの総量を越えてしまったということです。そして、そのストレスを軽減する調整や指導をこの歯科医はできなかったのです。

残念ながら、こうしたケースは案外多いのです。ブリッジは一ぺんに数本の歯を失ってしまうことが多いという、ブリッジの最大のデメリットを如実に物語っています。