乳歯から永久歯へ交換期の注意

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写真の新聞では記事の見出しが”顎の成長欠かせぬ永久歯”となっていますが、乳歯から永久歯へと変わる際の注意や、よく噛む習慣の付け方など記してあります。

また、記事とは別ですが同年齢(小学1~2年生くらい)のレントゲン写真のアップも載せます。乳歯の下にはすでに永久歯が出来ていて乳歯との交換を待っています。

永久歯をよく見て下さい、根の部分は未完成です。生える場所を見つけて文字通り根付くのです。正しい場所に根付かせることが良い噛み合わせに繋がります。生え変わりの時期がとても大切なのです。

乳歯から永久歯へ交換期の注意

小学生の6年間は、乳歯から永久歯へと生え替る時期と重なります。

永久歯は乳歯よりも大きいので顎の成長に沿って一本一本時間をかけて、ゆっくり交換します。しかし、この時期に顎が充分発育しないと、永久歯が重なって生えたり、横へ飛び出して生えてきたりします。最近は、顎の未発達が原因と思われる歯並びの悪い子供達(若者も)が増えています。

顎の充分な成長発育にはよく噛むことが必要不可欠ですが、子供達の好きなカレー、ハンバーガー、スパゲッティ、寿司等、最近の食事は柔らかい物が多く、我々大人も含めて噛む回数は減る一方です。また、小顔がブームになるなど、歯並びや噛み合わせのことを考えると先が思いやられます。

もはやこうした状況を 変えるには、保育園、幼稚園、小中学校の科目に一日十分程度、硬めのガムやするめ等を噛む『顎の時間』を設けたら良いと思いますが、なかなかそうはいきません。

そこで、家庭での食事の工夫として、具は大きいまま出す、歯応えのあるものを一品加える、水やジュースは食後にする、食パンの耳は取らない(できればフランスパン)、食事を急かさない、おやつは硬めのガムにする(ノンシュガーの物)等、自然に噛む回数が増えるようにしてあげてください。(こうした工夫を実行した幼稚園で、知能指数がアップしたという報告もあります)

このような食事を心がけても、すでに歯並びの乱れが気になる場合は、やはり、専門医に相談してください。その際の注意として、見ためを整えることだけの矯正はしないことです。

特に、抜歯をしての矯正は口の中をより狭くしてしまいますので決してしないことです。(最近は非抜歯矯正も増えてはいます。)子供の矯正は、心身共に成長発育の途上にするのですから、顎の成長を促し、よりよい噛み合わせを獲得させるのが目的でなければいけません。

それには、取り外し 式の装置が優れており、固定式の装置はあまりおすすめできません。さらに、歯の移動中でも、上下の歯の噛み合わせが矯正装置によって、確保されていることも重要なポイントです。どの矯正医も初回は相談だけで、いきなり治療を始めることはありませんので、じっくり相談し、慎重に検討してください。

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粗末に扱うと後が大変な乳歯

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主に乳歯で咀嚼する6歳くらいまでは、心身の成長度合いもダイナミックな時期です。後続の永久歯は乳歯の下ですでに埋まっていますので、よく噛む刺激も伝わっています。

よく噛むことは日頃意識して行う事で、身につけるものです。虫歯予防と同等に大切なことです。虫歯治療も後続の永久歯のことまでを考えた治療をしなければなりません。

粗末に扱うと後が大変な乳歯

乳歯はいずれ永久歯に生え変わるからと,粗末に扱われがちですが、乳歯の状態がその後の永久歯に引き継がれる事が多いので、大切にしなければなりません。

特にその後に生えてくる永久歯の歯並びを決定する,と言っても過言ではありません。どの子も乳歯の生えてくる場所は遺伝子で決定されていますので、乳歯そのものが、乱れて生えてくることはまずありません。

乳歯の歯並びを乱す主な原因は、乳歯の虫歯による歯の崩壊です。乳歯は永久歯に比べると柔らかく、虫歯に なりやすいのですが、乳歯が柔らかい事にも理由があります。

乳歯が生え始め、主に乳歯で咀嚼をする0~6才位の時期は、身体の成長が著しく、顎も例外ではありません。0才と6才では顎の大きさはまるで違います。
上下の乳歯は3才頃にガッチリ噛み合うようになりますが、その後も顎は成長し続けます。

上下の乳歯がガッチリ噛み合ったままですと顎は自由に成長できませんので、乳歯が少しずつ擦りへることで、噛み合わせも変化し、顎の成長に調和していくのです。そのために永久歯に比べて柔らかく、虫歯にもなりやすいのです。

しかし、小さい子供の歯の家庭でのケアは大変難しく、虫歯を完璧に予防することは困難です。やはり専門家の定期検診は必要ですが、虫歯になってしまっ
た場合の治療法は大人の場合とは異なります。

乳歯は顎の成長と共に擦りへらなければならないので、乳歯の噛む面に虫歯ができた場合は、初期ならば進行止めの薬(サホライド)を塗ってもらいましょう。この薬は塗った箇所が黒くなる欠点がありますが、虫歯の進行をかなり遅らせることができます。

さらに進行してしまった場合は、虫歯の部分を削りセメントかプラスチック(レジン)で埋めてもらいましょう。硬い金属は擦りへらずにその時点での噛み合わせを固定してしまい、片寄った噛み方や、顎のずれの原因になりやすいので、できるだけ避けましょう。

歯と歯が隣り合った面が虫歯になった場合は、乳歯の周りに金属製のバンド(帯冠:薄い指輪のようなもの)を接着し、隣の歯との間隔を保ち、歯が移動するのを防止します。乳歯の治療は、歯の周りは硬く、噛む面は他の乳歯と同程度の硬さにすることが鉄則です。

いずれにしても将来の永久歯の歯並びや噛み合わせは、全身の健康にもつながりますので、こうしたことを前提に乳歯を管理、治療してくれる歯科医を見つけることが大切です。

母乳育児が歯を丈夫に


人間は哺乳類ですから、生まれてしばらくの間は母親の母乳で育つのが自然です。乳歯は生え揃い咀嚼出来るまでは母乳育児が理にかなっています。消化器系のシステムも母乳の消化が一番適しています。早い離乳は食べ物を噛まずに飲み込む悪い癖を覚えてしまい良いことはありません。

母乳育児と子供の歯並び

私たちは歯の無い状態で生まれてきますが、乳歯と永久歯の元となる歯(しはい)は胎児の時にすでに形成されています。妊娠中の栄養は乳歯や永久歯の質(硬さ)に影響します。しかし、特別にカルシュウム剤等を摂取するよりも、栄養のバランスがとれた食事を心がけていれば問題無いと思います。

むしろ子供の歯並 びに影響を与えるのは、生後の母乳育児の期間の長さや、その後の食事の仕方、虫歯の有無、また、その治療の仕方にあるのです。歯並びが乱れる最大の原因は、歯の大きさと上下の顎の骨の大きさの不調和にあります。

歯の大きさは遺伝で決まっていますので栄養等で変えることはできません。しかし、顎の骨はよく使うことで成長発達し充分な大きさになります。その第一歩が母乳育児なのです。母乳は赤ちゃんが顎を精一杯動かせて飲んでいます。

その時の顎の動きをよく観察すると母乳を飲んでいると言うより「母乳を食べている。」と言ったほうがふさわしいくらいに顎をよく使っています。この時期が将来の歯並びや噛み方(顎の使い方)を決定すると言っても過言ではありません。

上下の第一乳臼歯(乳歯の奥歯)が噛み合うようになる2才頃まで母乳を続けるのが理想的です。顎を動かさずに飲めてしまう哺乳瓶や早い離乳は噛まずに飲み込むことを覚えてしまいますので、顎の成長にいいことはありません。母乳育児ができない場合でも、赤ちゃんが努力しないとミルクが出てこない哺乳瓶の乳首も市販されていますので、それらを使うようにしてください。

乳歯は生後6カ月頃から生え初め、3才頃に上下で10本づつの乳歯列が完成されます。この時期によく顎を鍛えることが、将来の歯並びや噛み合わせをよいものにする必要条件となるのです。歯並びが乱れるもうひとつの大きな原因は、乳歯の虫歯とその治療の仕方です。

乳歯は、歯と歯が隣り合っている箇所が虫歯になりやすいのです。虫歯で歯が崩壊すると歯が前方に移動していまいます。全ての乳歯の下には、永久歯が控えていますので、永久歯も一緒に移動してしまい、その後生えてくる永久歯の歯並びも乱れてしまうのです。

子供の虫歯予防も歯磨ばかりに目が行きがちですが、食事やおやつの与え方のほうに問題があるように思います。一旦ものを食べた後の2、3時間は、お茶や水以外のものは口にしないことが虫歯予防にも効果があります。四六時中ごはんやお菓子、ジュース類が口の中にあることは絶対にさけましょう。

こんなお店をみかけました。


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噛まない人はダメになる


【口からわかること(中)】「かむ」刺激が脳も活性化

”「咀嚼による刺激で神経細胞が死ぬのを防ぐことができれば、認知症の防止などにもつながる可能性がある」”との朝日新聞の記事です。https://goo.gl/jRhn6

この記事にもあるように「噛む効用」も古くて新しいテーマです。噛む事は食べ物を噛み砕くだけでなく、咀嚼運動がもたらす脳や身体へ影響は古くから指摘されてきました。

こうして「噛む効用」は、時々メディアに取り上げられるのですが、歯科医療のメインストリームにはなかなかなりません。

写真の「噛まない人はダメになる」(咀嚼研究センター設立推進グループ編) という過激なタイトルの本が 風人社から発行されたのが、1987年11月。25年も前です。この本は一般向け講演会「噛まない人はダメになる」での様々な分野の学者の発表をまとめて出版したものです。この講演会は立ち見が出る程盛況だったと書かれています。「食べ物を噛むということは、口のなかだけの問題ではない」と、咀嚼システムや口の機能、脳や全身との関連の重要性を一般の人々に訴えていたのです。

そして、この10年後の1997年8月には『 誰も気づかなかった 噛む効用 ― 咀嚼のサイエンス』 窪田 金次郎 (監修), 日本咀嚼学会(編集) が発行されています。この本の内容は以下の通りです。

『噛むことは、こんなに身体にいい!脳の働きを活発にし、がんや糖尿病などの成人病を防ぎ、肩こり・腰痛を治し、スポーツ能力を高め、寝たきり老人を立ち上がらせ、ボケを予防する驚異の生命システム「咀嚼」の謎に迫る!日本初の一般向け「咀嚼の科学」。歯科医学をはじめ、生理学・解剖学・食品栄養学・保健学等の、各研究機関の最前線で活躍する26名の専門家を結集。日本咀嚼学会が、世に問う記念碑的一冊。
』(「BOOK」データベースより)

こうして古くから歯科医療の奥深さ、可能性が示されていたのに、今でも歯の修理、修復ばかりの歯科のままなのはなぜでしょう?予防と言えば「磨け、磨け」これでは歯科は科学ではないと言われてしまうわけです。そもそも上記のような本をどれだけの歯科医が読んでいるでしょうか?

『がんや糖尿病などの成人病を防ぎ、肩こり・腰痛を治し、スポーツ能力を高め、寝たきり老人を立ち上がらせ、ボケを予防する』こうした素晴らしいことに繫がる歯科医療で国民の健康に大きく寄与出来るのですから、今からでも歯科教育のシステムを変えて、修理屋から医療へと変革すべきです。

咀嚼のサイエンスに気づかなかないのは他ならぬ歯医者自身です。「僕は咬合(かみ合わせ)は専門じゃないから」と平然と口にするのが歯科医の現状です。患者さんの歯はいじっても、自分の咀嚼システムすら知らない”噛めない歯医者”が多いので歯科界はダメになったのでしょうか?

歯と身体を守る | 噛みしめない生活


意外に思われる方も多いのですが、大前提として「上下の歯は食事以外のときはふれていてはいけない。」を頭に入れてから今日の話題をお読み下さい。

デスクワークで食いしばり症候群? のニュース。

”「歯ぎしりは肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。でもその原因が歯ぎしりだと思う人はめったにいません。気づいていない人は多いと思います」”

歯ぎしりは主に寝ている時にしています。噛みしめや食いしばりは起きている時もします。
”パソコンに向かって長時間デスクワークをするとき、無意識に食いしばっている方が見受けられます。”

食いしばりや噛みしめは歯や歯茎にダメージを与えるだけでなく、咀嚼筋や頭頚部の筋肉のコリなどの原因にもなります。こうした”無意識”にしてしまうクセは”意識して”治さなければなりません。ひとつの方法が写真のように目につくところにメモを貼っておくとです。メモを見るたびに食いしばっていないか、噛みしめていないか、を意識し、上下の歯が触れていれば離せばいいのです。「上下の歯は食事以外のときはふれていてはいけない。」のです。

例え辛いことがあっても、食いしばらず、噛みしめない生活が歯にも身体にも良いのです。

また、歯科治療の際、食いしばりや噛みしめの対策や予防を指導してくれる歯科医を選ぶことも、あなたの歯と身体を守る第一歩となります。

よろしければ、こちらも合わせてお読み下さい。” 悪癖「噛み締め」がよくわかる映画 「おくりびと 」”