やっと、NHKのお墨付きを頂いた気分

昨日のブログで紹介した「ためしてガッテン」の放送の中には、インプラントのイの字も出来ません。

「歯が無くなったら入れ歯です。」と結んでいます。

専門的に言うと、義歯床の粘膜からの刺激が歯根膜の感覚入力の代りをするから入れ歯が良いのです。

番組冒頭の寝たきりのおじいさんが上下の入れ歯で噛めるようになると、まるで別人のように元気に歩き、意欲的に生きるように変わったのが良い例です。

「入れ歯の底力」はかねてよりの私達の主張です。やっとNHKのお墨付きを頂いた気分です。(笑)
(詳しくは拙著をお読み下さい。入れ歯の実例がたくさん載っています。)

公共放送のNHKはインプラントを持ち上げる番組は絶対作りません。本当のことを知ってるからです。

ウソだと思うなら再放送を見て下さい。

NHK総合 2月15日(火)午後4時05分~4時50分

ためしてガッテン入れ歯は生きる力!

夕べのNHK「ためしてガッテン」のテーマは”入れ歯”と”噛む効用”で、とても充実した内容でした。

噛む事は生きる力そのもの。そのために入れ歯がなくてはならないものだと科学的に分りやすく解説していました。

噛む回数を増やすちょっとした工夫なども紹介されていました。

見逃した方は是非再放送をご覧下さい。
↓↓ NHK総合 2月15日(火)午後4時05分~4時50分です。

www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/index.html

放送内容

最新研究で「噛む」ことの効果が、想像以上に大きいことが科学的にわかってきた。なんと、柔らかいものばかり食べて噛むことを怠ると、脳の中で新たに生まれる神経細胞の数が減ってしまう。

逆に、寝たきりのお年寄りが、入れ歯を入れて噛めるようになっただけで、本人の意欲や記憶力が向上!さらには、転倒予防につながるバランス力もアップし、寝たきりだった人が、若返ったように歩けるようになり、元気になったという、驚くべき報告が相次いでいる。

この噛むパワーの源が最近の研究で明らかになってきた。歯の奥に、ものすごく敏感なセンサーが隠されていたのだ。噛むとこのセンサーが信号を発信、その信号は三叉神経という最も太い脳神経を通して脳へ送られ、脳の中の「運動」「感覚」「記憶」「認知」さらには「意欲」にかかわる部分が活性化するという。歯の奥に隠されたセンサーは、まさに「生きるためのスイッチ」だったのだ!

この「生きるためのスイッチ」を沢山押せちゃうお得な食べ方や、脳を活性化させる、入れ歯の秘けつも登場!“食べるだけで元気になれる”お得な情報をたっぷりと紹介する。

 歯と認知症

↓↓「歯の悪い高齢者、認知症になる可能性2倍近く」と題した読売新聞の記事です。
https://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=35954

自分の歯がほとんどなく、入れ歯を使っていない人が認知症になるリスクが高いそうです。当たり前ですが、「使える入れ歯」は認知症になるリスクも減らせるとも言えます。

歯にも寿命があるのですから、歯を失った時に入れ歯で噛み合せを確保し、咀嚼システムを維持することが大切です。「使える入れ歯」を手に入れることが豊かな老後に繋がります。

「入れ歯は合わない」と「口を揃える」

”入れ歯は合わない”というのは歯科医が作った偏見です。私たちは、入れ歯の良さを知っていますし、自分でも使っています。私たちのところで治療を受けた患者の皆さんは、入れ歯の効用について十分理解されています。

ところが、あいかわらず、入れ歯にはマイナスイメージがつきまといます。

まず、入れ歯は合わないものと思い込まされています。入れ歯安定剤のコマーシャルなどの影響も大きいかもしれません。しかし、これは入れ歯自体に問題があるのではなく、入れ歯の作り方に問題があるからなのです。

歯科医のなかには入れ歯がなぜ合わないかの理由すらわからない人が大勢います。当然、そういう歯科医は、うまく入れ歯が作れません。そして、入れ歯がうまく作れない歯科医は、さんざん嫌な思いをしているので入れ歯という治療手段を選ばなくなってしまうのです。

自分の腕の無さを棚に上げて「入れ歯は合わない」と「口を揃える」のです。

食事のときには入れ歯をはずしていた!?

58歳(来院当時)の男性は、入れ歯に不具合があるので、現在入れている部分入れ歯をチェックして欲しいということで来られました。

上顎にチタンという金属を使った入れ歯を入れていましたが、この金属部分が割れてしまっていました。
これで分かるのは、この患者さんは噛みしめの癖が非常に強いタイプの方なのです。

常に金属部分が割れる程の力で噛み締める癖があるのでこの入れ歯は歪んでしまい、隙間が空いてしまっていて、全然合っていませんでした。

その結果、この入れ歯で食事をすると痛いので全然噛めず、食事の時ははずして数本残っている右側の自分の歯だけで噛まざるを得ないというのです。

そこで、入れ歯を作り直すことになるのですが、この患者さんのケースで最も大事なのは、徹底した噛みしめ対策を行い、噛みしめ癖を弱めなければどんな入れ歯でもすぐに歪んだり、壊れてしまうということです。

この時大切なのは患者さん自身が悪いのではなく、噛みしめるという悪い癖が強く身に付いてしまっているということへの気付きと、それを改善しないと入れ歯治療がうまく行かないということを十分理解してもらうことです。

この前提がないと、患者さんとしては普通に生活しているだけで強く噛みしめているという自覚もないのに、入れ歯を割る程強く噛むあなたが悪いというような見方をしてしまうと、患者さん自身も、それならば「強く噛んでも割れない入れ歯を作ってくれ。」となってしまいますし、もし割れない入れ歯が作れたとしても、噛みしめる癖があれば、粘膜が痛くなってしまうのは当然の理なのです。

こうしたことを踏まえて、出来うる限りの工夫も施し、上下ともに優しく噛み合わせられるように作りました。その後は定期的にメンテナンスに来られて、それから11年間その入れ歯を使っています。

このように、一人ひとりの患者さんの噛みしめ癖などをきちんと把握して、その人に合った方法で入れ歯を作り、管理していくことが、とても重要なのです。

「歯医者の言いなりになるな!」角川oneテーマ21新書より抜粋