人生を変える入れ歯(2)

単に歯の修理、修復は出来ても、全身を考慮して正しい噛み合わせの回復と噛み方のリハビリの診療しているのが圧倒的に少数派なのです。ですから、数年置き に「噛む効用」が報道されているのに、噛めないことが原因の不要な苦しみを強いられている人と、それに使われる無駄な医療費が増え続けるのです。

よく噛める使える入れ歯があるか無いかで人生が変わってしまうのです。

否応無しに高齢化社会は拡大します。使える入れ歯を作れる歯科医と技工士を育成することが急務です。

人生を変える入れ歯(1)

よく噛む事の効能を検証するテレビ番組や新聞の報道が続きました。

ほぼ寝たきりの老人が新しい入れ歯を入れて噛む生活を始めると、短期間で回復し、まるで別人のように元気になった姿を見た一般の人々は、噛むこと全身への影響と大切さを改めて認識したことでしょう。

それでは噛み合わせを熟知しているはずの歯科医や歯科技工士はどう見たのでしょう?おそらく、一般の皆さんと同じくらいの感想を持った人が殆どだと思います。

歯科の世界ではおかしな事に、噛み合わせ(咬合)は特殊分野のように取り扱われていて、「僕は咬合は苦手なんですよ。」なんて会話を歯医者同士が平気で交わしているのです。一般の人には聞かせられない非常に奇異な構造が歯科の世界にはあるのです。

必見!歯科医療の進むべき道

NHKの「ためしてガッテン」が本日再放送されます。

16:05~16:50  NHK総合1chです。

日が経つにつれ本当にいい番組だったなぁと思うのです。

『噛めなかった人が噛めるようになると、
驚くべきうれしい変化が起こることがわかってきました。

なんと、「1年間歩けなかった人が歩けるようになるまで回復した!」
その理由のひとつが、噛むことが脳に与える想像以上の効果。

噛むことの意外な効果から、知られざる入れ歯の効能まで!
噛んで食べることのすばらしさをたっぷりとお伝えします。』

歯のある人も、ない人も必見の番組です。

さて、この番組を別の角度から捉えてみると、今までの歯科界のおそまつな実態も見えてきます。冒頭にある「噛めなかった人」は誰が作ったのでしょうか?

もし、もっと早い段階できちんと噛める入れ歯を使えていれば、「1年間歩けなかった」ためにほぼ寝たきり状態だったご本人の苦労も、ご家族の負担も、その間に使われた医療費や介護費用も不要だった筈。

高齢化社会を思えば同じような人は相当いるはず、むだな医療費は莫大。歯源病を作らず、よく噛める入れ歯を作ることが歯科医療の本来あるべき姿であり、進むべき道。咬合に自信のない歯科医、技工士は勉強し直すべきです。

歯科関係者必見です。

↓↓オンデマンドでも見られるそうです。(有料です。)
httpss://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011024884SC000/

歯医者の技量は卒後に決まる

人からよく「歯医者さんだから 、虫歯も歯槽膿漏もないのでしょ う」と聞かれることがあります。しかし、 それはまったくの誤解です。

私たちにも虫歯があり、歯槽膿漏もあり、抜けた歯もあります。抜けた部分は入れ歯で補っています。

みなさんと同じように歯では苦労をしています。 また、かつて受けた歯科治療が原因で、頑固な首や肩の凝り、背中の痛み、片頭痛などの体調不良も体験しました。

こうした症状は、大学の歯学部や技工士学校を卒業後に習得した技法により対処することができましたが、不適切な歯科治療の怖さも身にしみています。

こうした体験の結果「自分が受けたい歯科治療」を追求し、実践しているのです。大学の歯学部や技工士学校は国家試験に受かるための教習所のようなもので、免許を取得後の勉強の仕方、その方向性、力の注ぎ方が歯科医療者としての技量を決定付けます。

「噛み合わせと全身の関係」も、歯学教育にはありませんので、卒後の勉強で身に付けるしかありません。だから殆どの歯医者は知らないのです。

総入れ歯の原理とインプラント

上は部分入れ歯下は総義歯

写真:上は大きな部分入れ歯、下は総入れ歯

総入れ歯の原理は、とても単純です。入れ歯と口腔粘膜がすきまなく接していれば、落ちてこない。ただそれだけです。

「すきまなく接していれば落ちない」と聞いて不思議に思う人もいるかもしれません。
しかし、二枚のガラス板を水に濡らしてくっつけると、ぴったり貼りついて落ちてこないことは、
誰でも知っていると思います。

入れ歯もこれと同じです。唾液が「二枚のガラス板をくっつける水」の役割を果たし、入れ歯は口にぴったりと吸いついて安定するのです。

ですから粘膜と入れ歯が隙間無く接してしなければならないのですが、これは確かに難しいです。市販の入れ歯安定剤が売れている理由がここにありますが、情けない限りです。

入れ歯は抜けた歯の本数が多い程むずかしくなりますが、歯医者と技工士の腕の見せどころでもありますが、入れ歯の出来ない歯科医ほどインプラントに走りがちです。

インプラントが優れているのではなく、入れ歯を作れない歯科医がインプラントの結合力に縋っているのです。

インプラントが誰の為にあるのかを見誤ってはいけません。