乳歯の詰め物

乳歯が虫歯になると、黒すんでくるので、なり始めの場所が見つかるととがあります。このような場合もすぐに削る必要はありません。

大きく深くないかぎりは虫歯の進行を止める薬のサホライド(フッ化ジアミン銀)を塗り、その後の経過を見ることが大切です。すぐに削ってしまうのは悪い歯医者といえます。

進行を薬で止められないときに限り、やむなく虫歯を削って詰め物をしますが、乳歯の詰め物はセメントやレジン(プラスチック)などやわうかい素材にする必要があります。

乳歯はやわらかくてすりへりやすい性質を持っています。これは噛んでよくすりへるほうが、歯並びのいい健康な永久歯に生えかわるのに好都合だからです。

このような乳歯の性質を考えれば、硬い金属を入れると、その金属だけがすりへらす、噛み合わせバランスが崩れます。セメントやプラスチックは金属に比べてとれやすいのは事実ですが、とれた5また入れればいいのです。

治療をした歯ほど早く失われてしまう

虫歯を大きく削ってそこに詰め物をする、という昔ながらの治療が正しいのであれば、治療をした歯ほど長く残ってもいいはすです。しかし、治療をした歯ほど早く失われてしまいます。

私の父は回歳で歯、が全部抜けて総入れ歯になったのですが、その前は自分の歯が5本残っていて、あとは入れ歯という状態でした。

残っていた5本の歯はまったく治療を受けていない歯で、失われた歯は治療を受けた歯ばかりでした。このような例は私が診てきた患者さんに共通して見られることです。

歯の治療といえば主なものに虫歯、歯周病、歯列の矯正、入れ歯などがありますが、噛み合わせバランスが変化することに注意した治療が行われていないことが、歯を失う最大の原因になっているのだと思います。すべての治療の基本は噛み合わせバランスを狂わせないことです。

歯を必要以上に削ってはいけない

いま歯の治療の常識は歯を簡単に削うないこと、歯を抜かないことです。

ところが、悪い歯医者の例となりますが、残念なことに、まだ日本で行われている歯の治療では安易に削ること、抜くことが歯の治療の中心となっています。

虫歯の治療を例にとると、日本では虫歯になった場所を削り、詰め物を入れるために、虫歯の面積よりも大きく削る方法が行われています。

このように大きく削る方法は今から120年も前に発表された「ブラックの法則」に基づいているのですが、今では世界的に見ても時代遅れの方法なのです。

WHO(世界保健機関)に属しているFDI(世界歯科連盟)は1990年、「歯を必要以上に削ってはいけない」というお達しを出しました。世界の歯の治療の主流は「ブラックの法則」を否定した大きく削らない治療にあるのです。

それにもかかわうす、日本では昔ながらの方法が行われているのです。

安易に削らない、抜かない

私が歯の治療をしている現場をごらんになれば、歯を削る音がほとんどしないことに驚かれることでしょう。

今から約15年前までは、私も歯を簡単に削る治療を行っていましたが、噛み合わせバランスの大切さに目覚めてからは、歯の治療についての考え方とその方法を変え、静かな診療風景に変わったのです。

私は安易に歯を削うないこと、抜かないことを治療の基本にしています。つまり、いい歯医者は歯は簡単にいじらないということです。

安易に歯を削り、歯を抜くことで噛み合わせバランスを狂わせてしまうの、か悪い歯医者です。噛み合わせバランスが大切なことについては第2章でくわしく紹介しましょう。

ところで、私も必要にせまられたときには最小限とはいえ歯を削ることがありますし、歯を抜くことがあります。ただし、それは噛み合わせバランスを回復することを目的に行う場合に限られるのです。

虫歯と噛み合わせバランス

虫歯菌におかされやすい歯はどのようにしてできるのでしょう。その力ギは噛み合わせバランスのよし悪しが握っています。

噛み合わせバランスが崩れると、特定の歯に噛むときの強い力、がかかります。このような状能、事」私は「歯にかかるストレスの集中」と呼んでいますが、特定の歯に強い力、かいつもかかるようになると、歯はその負担に耐え切れすにエナメル質や象牙質が壊れはじめ、隙聞を作るようになります。

このような状態になることでその歯はもろくなり虫歯菌におかされやすく芯るのです。狂った噛み合わせバランスは虫歯だけでなく、歯茎の炎症である歯周病の原因にもなります。

歯の治療をするときは噛み合わせバランスを狂わせないととが最も大切なことと考えるのがいい歯医者です。しかし、治療をしたことでかえって噛み合わせパランスが崩れたという悪い歯医者の例があまりにも多いのではないでしょうか。