減らないインプラントのトラブル

インプラントが流行っていますが、トラブルも絶えません。

インプラントが入れ歯より優れているという歯医者に入れ歯を作れる人は殆どいません。
咬合についてもきちんと答えを持つ人も殆どいません。

科学的な根拠を持たずにインプラントを信奉している歯医者は、素人の患者さんより始末が悪いです。安全で正しい入れ歯が作れないから安易にインプラントに走るのです。

だからトラブルが増えるのです。

誰も言わないデメリット

現実には「こんなものはやめよう」と声を上げる歯科医はほとんどいません。逆に、PR活動はさかんになる一方です。

「見た目がよく、機能的にも優れている」「インプラントは第三の永久歯」などといったことばかりが喧伝されている。新聞の広告欄に目を通していれば、数日のうちにインプラント治療のすばらしさを謳った書籍の広告を見つけられるはずです。

インターネットによるPRもさかんです。しかし、私が見たかぎり、読んだかぎりでは、デメリットをきちんと言っているケースは皆無です。
 

結果として、インプラントを入れる人の数も増えています。そして同時に、「インプラント被害」が、少なからず起こっている。実際、私たち自身もインプラントによって悲惨な目に遭っていた患者さんを治療した経験があります。

形成外科医の話

以前、ある形成外科の先生に伺った話なのですが、膝などに人工関節を埋めて固定するのは「最後の手段」だそうです。

なぜ最後の手段なのかというと、数年のうちにダメになることが多いからです。
 ダメになったら、残る人生は車椅子での生活です。だから、基本的にはやらない。

やるのは「車椅子になってもいい、数年間だけでも歩く生活をしたい」という患者さんがいるときだけです。その先生は「歯科の先生は、よく平気でインプラントをやるなあ」とおっしゃっていましたが、私たちも同感です。インプラントは最後の手段、究極の選択なのです。

本来のインプラント

インプラント治療が、ここまで「問題だらけ」なのは、それが本来の目的から外れたものだからです。本来、インプラントは顔面補綴の技術として発達したもので、入れ歯の代用品ではないのです。

顔面補綴というのは、事故や病気などで鼻や耳などが失われたとき、それを修復する治療のことです。たとえば、耳を失った人のケースなら、耳があった場所にマグネットを埋め込み、そこに金属で出来た「人工耳」を取り付けるわけです。

インプラントは、重篤な病気や事故などで顎を失ったときに、そこを補綴するためのものなのです。

インプラントによる感染症を防ぐ

なぜ「歯磨きの仕方」を細かく指導されるのか?

インプラントを入れた人は、歯科医から歯磨きの仕方を細かく指導されます。入れたあとの定期点検は、周囲の清掃、消毒がメインです。いずれも、感染症を防ぐのが目的です。

口の中には、毎日必ず食べ物が入ります。指や箸も入りますし、口と食器が触れたり、口を使って何かを切ることもよくあります。つまり、口という器官には常に雑菌が入ってくる。

ミクロの視点で見ると、インプラントと歯茎の結合部分には大きなすきまがあいています。雑菌は、そこからどんどん侵入してきます。これが感染症を引き起こすケースはよくあって、場合によっては顎骨に炎症が波及することもあります。ですから、インプラントを入れた人は、口の中の清潔を保つ努力をしなければなりません。

これは、清潔にしていれば大丈夫ということではありません。清潔にするのが最低条件ということです。歯と歯茎の境目というのは天然歯でさえも弱い部分で、歯肉炎や歯周病などはたいていそこに起こります。ですから、いくら消毒や歯磨きをしていても、感染症に冒される可能性はゼロになりません。感染症による歯茎の腫れ、炎症などが慢性的に起きるようになれば、むろん食事は苦痛になります。

また、顔面というのは、他の組織と違って筋膜の区切りがありません。歯茎が腫れてお岩さんのようになってしまう人を見かけることがありますが、これは顔に筋膜の区切りという防御フェンスがないからです。

つまり、顔面のどこかに炎症が起こると、比較的大きな範囲に拡がることが多い。こうした点から考えても、インプラントが生着したあとも安心はできません。