母乳育児が歯を丈夫に


人間は哺乳類ですから、生まれてしばらくの間は母親の母乳で育つのが自然です。乳歯は生え揃い咀嚼出来るまでは母乳育児が理にかなっています。消化器系のシステムも母乳の消化が一番適しています。早い離乳は食べ物を噛まずに飲み込む悪い癖を覚えてしまい良いことはありません。

母乳育児と子供の歯並び

私たちは歯の無い状態で生まれてきますが、乳歯と永久歯の元となる歯(しはい)は胎児の時にすでに形成されています。妊娠中の栄養は乳歯や永久歯の質(硬さ)に影響します。しかし、特別にカルシュウム剤等を摂取するよりも、栄養のバランスがとれた食事を心がけていれば問題無いと思います。

むしろ子供の歯並 びに影響を与えるのは、生後の母乳育児の期間の長さや、その後の食事の仕方、虫歯の有無、また、その治療の仕方にあるのです。歯並びが乱れる最大の原因は、歯の大きさと上下の顎の骨の大きさの不調和にあります。

歯の大きさは遺伝で決まっていますので栄養等で変えることはできません。しかし、顎の骨はよく使うことで成長発達し充分な大きさになります。その第一歩が母乳育児なのです。母乳は赤ちゃんが顎を精一杯動かせて飲んでいます。

その時の顎の動きをよく観察すると母乳を飲んでいると言うより「母乳を食べている。」と言ったほうがふさわしいくらいに顎をよく使っています。この時期が将来の歯並びや噛み方(顎の使い方)を決定すると言っても過言ではありません。

上下の第一乳臼歯(乳歯の奥歯)が噛み合うようになる2才頃まで母乳を続けるのが理想的です。顎を動かさずに飲めてしまう哺乳瓶や早い離乳は噛まずに飲み込むことを覚えてしまいますので、顎の成長にいいことはありません。母乳育児ができない場合でも、赤ちゃんが努力しないとミルクが出てこない哺乳瓶の乳首も市販されていますので、それらを使うようにしてください。

乳歯は生後6カ月頃から生え初め、3才頃に上下で10本づつの乳歯列が完成されます。この時期によく顎を鍛えることが、将来の歯並びや噛み合わせをよいものにする必要条件となるのです。歯並びが乱れるもうひとつの大きな原因は、乳歯の虫歯とその治療の仕方です。

乳歯は、歯と歯が隣り合っている箇所が虫歯になりやすいのです。虫歯で歯が崩壊すると歯が前方に移動していまいます。全ての乳歯の下には、永久歯が控えていますので、永久歯も一緒に移動してしまい、その後生えてくる永久歯の歯並びも乱れてしまうのです。

子供の虫歯予防も歯磨ばかりに目が行きがちですが、食事やおやつの与え方のほうに問題があるように思います。一旦ものを食べた後の2、3時間は、お茶や水以外のものは口にしないことが虫歯予防にも効果があります。四六時中ごはんやお菓子、ジュース類が口の中にあることは絶対にさけましょう。

こんなお店をみかけました。


モーハウス / 授乳服専門ショップ いつでもどこでも快適母乳生活

「歯のばんそうこう」で虫歯にさようなら?

「歯のばんそうこう」で虫歯にさようなら?日本の研究者が開発   

友人から興味深いニュースを教えて貰ったので、今日の「らくらく健康術」はお休みで、このニュースのお話です。

“1つ1つの歯を虫歯から守ったり、より白く見せることのできる極薄の膜を、近畿大学生物理工学部の本津茂樹教授と大阪歯科大学の吉川一志准教授が共同開発した。”
とのニュースです。

”この「歯のばんそうこう」は耐久性に優れた柔軟性に富むシートで、歯のエナメル質の主成分ハイドロキシアパタイトでできている。”  副作用もなさそうです。

”むき出しになった象牙質をこの「ばんそうこう」で覆うといった歯科治療における実用化には5年以上かかる見込みだが、審美歯科ならば3年以内にも実用化できるかもしれないという。”
早い実用化が望まれます。特に”むき出しになった象牙質をこの「ばんそうこう」で覆う” 治療法が確率されれば、画期的なのでかなり期待します。

ただ極薄なので、上下の歯が噛み合う箇所はすぐにすり減ってしまうでしょうから、前歯の表面に貼って審美の回復やファッションアイテムなどにも発展しそうな気がします。

最近の、健康な歯を削ってまで不自然に白い人工の歯に置き換える白い歯信仰は、目に余ります。。白い歯を手に入れて健康な歯の寿命を縮めているのですから本末転倒なのですが、残念ながら簡単に止められないトレンドになってしまっています。こうした現状を考えると、この極薄の歯の絆創膏で白い歯になれれば、健康な歯を削らないだけ良いのかもしれません。

さらに、ファッションアイテムとして捉えれば、何も白だけでなく、赤、黄色、緑など極薄でカラフルなフィルムを貼った歯が流行るかもしれません。カラーコンタクトで瞳の色を変えるように、気軽に歯の色を変えて楽しむ?そんな時代も来るような気がします。

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顔の形決める遺伝子と歯並び

遺伝も生後環境も同じ一卵性双生児は顔も歯並びもそっくりです。


顔の形決める5遺伝子発見=目の間隔や鼻の高さに影響―将来はDNAから似顔絵?

”目の間隔や鼻の高さなどに影響を与える遺伝子を5種類発見した”とのニュース。将来は犯罪捜査の際、容疑者のDNAから似顔絵を作るなどができるようになるそうです。

遺伝子の解明が進めば様々な分野での応用が広がり、その恩恵も大きいものと思われますが、この記事中で気になったのが「顔の形は生後の環境より遺伝の影響の方が大きいと考えられている。」の一文。確かによく似た顔の親子や兄弟は、どんな人でも思い当たるでしょうし、おじいちゃんと孫がそっくりなんていう事もよくある話です。

歯も例外でなく、お子さんの歯並びを気にして相談に訪れたお母さんの歯並びと、そのお子さんの歯並びがそっくりだったりします。歯そのものの大きさや形、質、歯並びのアーチの型なども遺伝の影響が大きいのです。

しかし、歯並びの乱れは、歯の大きさと顎の成長の不調和が原因になる場合も多いのです。顎の成長にはよく噛むことなど生後の生活環境が大きく影響しますので、軟らかい食べ物ばかりで噛む事が少くなった昨今は顎の成長が充分でないため、歯並びが乱れる子どもが増えています。

顔の形に比べて、歯は大きさや質は遺伝から、歯並びは生後の影響が大きいと言えるでしょう。

噛むのを忘れた子ども達


現在、林歯科のHP https://www.exajp.com/hayashi/ のリニューアルが進行中です。ウェブの制作・管理はアメリカの友人が一手に引き受けてくれています。

その新しいサイトに掲載する資料や写真を整理していたら、10年以上前の面白い資料が出て来ました。

週刊誌に載っていた電気釜の宣伝です。日本の歴史上の人物の食事を再現して、噛む回数の変遷が載っていました。

卑弥呼  4000回
源 頼朝  2654回
徳川家康 1465回
現代人  620回

噛むのを忘れた子ども達 170回 (例えばハンバーガー1個)

現代人もその子どもも、噛む回数が極端に少なくなっています。

しかし、この広告があった10年程前までは「噛まない子ども」「噛めない子ども」の増加を問題視して、学者の警告(ディスクレパンシー:歯と顎骨の不調和)や、噛む力が弱いと、永久歯の歯並びの乱れ、学力低下などにつながると、マスコミ報道なども相次いだのですが、最近はパッタリ聞かなくなってしまいました。

この資料が10年以上前ですから、今ではもっと噛まなくなっていると思います。

テレビのグルメ番組で「やわらか~い!=おいしい!」のように連発していますが、「やわらか~い」は食感のことで美味しさではありません。食品メーカーや外食産業はそれを逆手に取って、やわやかさに拍車をかけますので、益々噛めない人が増えてしまいます。

歯科医師側はもちろん、親、学校が一緒になって噛む回数を増やす事が、歯並びを良くし、学力、体力を向上させ、健康増進に結びつける対策に取り組むべき。と改めて思った次第です。

「歯ぎしり」新検査方法が登場

9/3の東京スポーツの記事です。

”ほとんどの人は歯ぎしりをしており、放置すると大きなトラブルになる場合もある” として、いろいろな事例をあげています。失礼な言い方ですが、東スポの記事としては大変まともな内容の記事でした。

歯ぎしりは中枢性のストレスに対する生体の防御反応としての生理的な現象で、ほとんどの人に大なり小なり見られる現象です。要はその強さや時間の長さなどが問題で、歯のすり減りや、歯周組織の損傷、顎の骨の肥厚(骨隆起)、顎関節へのダメージなどを引き起こすことがあります。

予防法としては、ナイトガードやスプリントなどマウスピース様のものを就寝時に歯に被せる。などありますが、専門知識のない歯科医のものでは却って悪化するばあいもありますので注意が必要です。

タイトルの新検査法とは「ブラックスチェッカーで咬合の評価」のことのようですが、詳しい説明は載っていません。歯ぎしりや噛み締めの正しい治療を受ければ、歯だけでなく、頭痛や肩こりの軽減につながりますが、治療の正否は歯科医選びにかかっています。

市販のマウスピースなどもありますが、絶対に使ってはいけません。