受刑者からの手紙

「県弁護士会:「歯の治療放置」と福島刑務所に勧告」 のニュース↓を読んで思い出した事があります。

10年ほど前になると思いますが、ある刑務所に服役中の受刑者から手紙が届きました。書かれていたことを要約すると「歯と噛み合わせで大変辛い思いをしているのに、ろくに治療も受けられず困り果てている、私の症状を記すので治療が必要だと判断したら返事が欲しい。」とのことでした。

拙著「いい歯医者 悪い歯医者」を読んで、私達宛に手紙を送ってきたのです。

文面を読む限りでは、一刻も早い診療が必要と思われるので、然るべき歯科医に受診されるべきだと思う。と返信しました。

それきりになってしまったので、その後の事は解りませんが、塀の中で歯のトラブルに見舞われたらさぞ辛いだろうなぁ。と思いました。

今日のニュースを読む限り、受刑者の歯科受診の実態は何も変わっていないようです。

カンニングと裏口入学

京大入試を始めとしたカンニングが事件(?)になっています。

逮捕されるほどの事件なのでしょうか? 彼のカンニングテクニックはある意味天才。成し遂げる為の努力もしていたようだし、ここまで大きな問題になると予測出来なかったのは、若さと馬鹿さが隣り合わせからでしょ。

新聞の一面にまで載ったのは、デジタルネイティブ世代のやりかたについていけなかったアナログ世代が過剰反応しているように思います。

動機も、高3だった一昨年秋に父親を亡くし生活が苦しく、母親の負担を軽くするために国立の大学に進学したかったとか……。19才の彼なりに必死だったんだでしょう。

私(兄:技工士)は彼と同じ19才の1976年に裏口で歯科技工学校に入学しました。日本歯科大学付属歯科技工士学校(当時の名称)です。裏金で入ったのですからカンニングどころの不正ではありません。

それでも、親の負担や家庭の事情、自分の気持ちを考え、裏口で入学できると知った時は心底悩みました。

しかも、その学校の入学者は100%裏口です。さらに、もう少しの裏口資金と高額な学費が支払える経済力があれば、本校(日本歯科大学)にも入れたのです。金さえあればどんな馬鹿でも歯医者になれたのです。

当時の私立の歯科大、歯学部はどこも似たり寄ったりで、裏口入学は公然の秘密でした。こうしたことが週刊誌の見出しになったこともありましたが、社会問題にはなりませんでした。

自分を含めて裏金を積んで入学し、その後歯医者や技工士になった人間は掃いて捨てるほどいます。
これもまぎれもない事実です。

私が言える立場ではありませんが、どうか、カンニングした彼には寛大な措置と救済の道を開いてあげるようお願いします。

(尚、私の弟(歯科医)の名誉の為に印しますが、彼は正規入学です。)

酸蝕歯で食べる人々

近頃ネット広告などで「酸蝕歯」を頻繁に目にします。いわく、歯が溶ける「酸蝕歯」! 酸性の飲食物は要注意、習慣見直して予防を。

にわかに脚光を浴びた酸蝕歯。どれほどのものなんでしょう?

虫歯が減り、歯科医は増え、何か新しい病気でもこさえて、飯の種にしなければ歯医者はやってられません。古来、歯医者は他人の歯で飯を食う職業ですから、歯の病気がないと困るのです。

酸蝕歯などと聞き覚えの無い言葉が流行出す背景のひとつです。歯が蝕まれるほど酸に侵される状態はどう考えたって異常ですから、とっくに医者に患かっているはず。

歯磨き粉メーカーも昔から効果がなくても商売になると揶揄される立場で、実態もその通りですが、やはり、効能を謳う何かがなければ儲かりません。歯医者もメーカーも酸蝕歯の怖さを煽って飯を喰うのです。

酸蝕歯で喰う人々に踊らされてはいけません。

『小悪魔 八重歯』だぁ?! 審美歯科の”珍サービス”

『小悪魔 八重歯』?!審美歯科の”珍サービス”

↓↓ 付けまつ毛の次は“付け八重歯” 審美歯科で新サービス?
https://life.oricon.co.jp/85143/full/

この審美歯科のセリフ「ネイルアート感覚で楽しめる点がポイント」アホか!開いた口が塞がらないとはこの事。

付け爪をすれば、日常生活に不自由なことが多いはず、仕事や家事に支障を来すでしょ。それを解った上でのファッションだから付け爪の場合はどうと言う事は無いけれど、付け八重歯は別。

噛む事に支障が出るとファッションなんて言ってられない。

記事中の拡大写真を見れば、噛み合わせ(顎運動)に悪影響を与えるは明白。何が『小悪魔 八重歯』だ。
こんな極端な犬歯ガイドを急に与えてはだめ。

歯の表に張るから大丈夫とか、噛み合わせは良くチェックしているから大丈夫とか言うのだろうけど、本当の事を知っている歯医者なら、こんな馬鹿なことは絶対にしない。

わざわざ八重歯に見せるというのは、犬歯を長くすること。歯がすり減ったりしているのは、各人の噛み方の歴史であり、良くも悪くも全身と調和して時間をかけてその形になったのだから、見ためが可愛いなどと言って、安易に犬歯を尖らせてはいけない。噛むと言う機能も全身との調和も損なう事にもなりかねない。

八重歯に小悪魔もドラキュラも無い!勝手に足したり抜いたりしてはいけません。絶対に流行って欲しくない馬鹿げた”新サービス”。

よくこんな事で金を取ることが出来る歯医者がいるもんだ。

アラスカで氷河期の子どもを発見

↓ ナショナルジオグラフィックの ニュースです。
www.nationalgeographic.co.jp/news/

噛み合わせの勉強を始めた頃、基礎的な知識として自然人類学、解剖学なども必須でした。素人の域ながら人類のルーツを探る面白さにハマり、その筋の本を読み漁りました。

ですので、「アラスカで氷河期の子どもを発見」などと他人様のツイートで目にすると普段にない俊敏さで反応してしまうのです。
まず直感的にコーカソイドではないな、氷河期、陸続き、モンゴロイドの地球、ってな言葉が浮かびつつ興味深く記事を読みました。

今回の遺骨は桁外れに古く、わずか数百年前のアラスカ州での記録を大幅に更新した。と記事にあります。

最近は、DNAを手がかりにした遺伝子人類学がそれまでの学説を覆えす事も多いようです。今回の発見も解明が進めば新事実が出て来るかもしれません。

「教科書は書き換えられるためにある。」これも噛み合わせをきっかけに人類学に誘ってくれた恩師に教わった言葉です。