入れ歯の形をしたもの

保険診療をしている歯科医の場合、患者さんに満足してもらえる入れ歯を作ろうとすると、赤字になるケースがほとんどです。

保険診療で総入れ歯を作ると、歯科医の手元には約6万円が入ります。ここから材料費や技工士への報酬(約2万5千円)、その他の経費を差し引き、自分が使った労力・時間を差し引くと、割りの合わない仕事になってしまいます。

赤字にならないようにするために、歯科医はまず技工士への報酬を安くし、自分の手間と時間をなるべく省くようになります。

技工士も、手間ひまかけないようにするのは同じです。かつてNHKの番組内で「今の報酬では“入れ歯の形をしたもの”を作るのが精一杯」とある歯科技工士は語っていました。

歯科医から支払われる報酬が安くなればなるほど、時間と労力を省くようになります。こうして作られた“入れ歯の形をしたもの”が使えないのは、けっして不思議ではないでしょう。

「歯医者の言いなりになるな!」より抜粋

口歪み芸人

先日のTV番組アメトーークでお笑いトリオ「ニブンノゴ!」の宮地謙典 さんが、「虫歯が右の歯に集中し、左だけで物を噛んでいる内に口が歪んだ」と話していました。

そして、口歪み芸人としてヤフー検索の1位になったエピソードを面白可笑しく語っていました。

いわゆる片噛みは左右どちらかに一方だけに偏って噛むことですが、その期間が長いと、噛む方の咀嚼筋ばかりを使うので、そちら側の筋肉が発達し、骨も緻密になり変形し、顔も歪みます。

肩こりなどの原因にもなり、放っておくと全身に影響することもあります。

宮地さんは虫歯を治療しても歪みが治らなかったそうですが、左右均等に噛めるリハビリのできる歯科医にかからなかったのではないでしょうか。

リハビリと同時進行の虫歯治療をしないと、却って片噛みを固定してしまいかねません。

顔を見ただけで噛み癖を見抜ける歯医者選びが大切です。

歯科衛生士の平均年収

歯科医や技工士に比べ、ひっぱりだこなのが歯科衛生士です。

国家資格を有し歯科医の片腕となって歯科医療に当たります。毎年6,500人が新しく誕生しますが、子育て年齢に重なるせいか、有資格者数(216,277名/平成21年度)に比べ実働者数が6割(96,442人/平成20年度))と少なく、慢性的な歯科衛生士不足です。

平均年齢31歳の歯科衛生士の平均月収は24.7万円、そこから推定される平均年収(ボーナス込)は338.9万円ですが、都市部の求人広告などを見ると歯科医院の数が多く完全な売り手市場で、就労条件は新卒や経験の浅い歯科医よりよっぽどいいところもあります

週刊新潮書評 | 歯医者の言いなりになるな!

週刊新潮「歯医者の言いなりになるな!」

発売中の週刊新潮(12/23号)書評欄(P122)に拙著「歯医者の言いなりになるな!」(角川oneテーマ21新書)が取り上げられました。

”内容も刺激的”
”インプラント治療を批判”
”咀嚼システムの重要性”
”噛み合わせの良し悪しが身体全体の健康と深く関わっている”
”口のストレスを軽減する歯科治療の新常識を知る”

など的確に紹介して頂いております。

ありがたいことです。

是非ご一読を!

https://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200912000013

因みに目次は↓です。

はじめに

第一章 咀嚼システムの重要性
口の中は神の領域
咀嚼システムの重要性
咀嚼システムに問題のあった患者さんたち
一人ひとりに合ったコンディションが必要

第二章 我々はなぜインプラントをすすめないか
インプラント治療がなぜもてはやされているのか
私たちが診たインプラントが合わない患者さん
インプラントはれっきとした手術
インプラントは噛む衝撃が強い
インプラント医のモラル
それでもインプラントを受けるなら

第三章 噛みしめを正し自分で守る歯の健康
歯と口の本当の健康とは
噛みしめと歯ぎしりがなぜ悪いか
割りばし法で劇的に改善する噛みしめ癖
やってみよう!割りばし法
無理な歯列矯正は全身を苦しめる
噛むことと脳の関係
いい歯科治療とは何か
私たちが正しいと信じ行っている診療システム


ひょうし

過酷な歯科技工士の平均年収

歯科技工士は国家試験に合格し免許を必要とされる職人的な仕事です。歯科界の中では裏方の仕事なので、なかなか表に出る事はありません。歯科医師から詰めものや被せもの、入れ歯などの制作を請け負います。ほとんどはラボと呼ばれる少人数の会社に勤めるか、自己開業が主で、歯科医院内の技工室で仕事をする人は大変少なくなっています。

歯科治療は最終的には詰めたり、被せたり、ブリッジ、入れ歯など人工物での修復になりますので、それらを制作する歯科技工士なしには成り立たないのですが、長時間労働のわりには収入が少なく、過酷な職業で、若い歯科技工士の離職が目立っています。昨今は人件費のより安い中国などの外国で歯科技工物を制作し輸入する業者もおり、不毛なダンピング競争で疲弊した業界となっています。

平均年齢35.7歳の歯科技工士の平均月収は26.0万円、そこから推定される平均年収(ボーナス込)は347.2万円と出ています。(平成20年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)歯科技工士学校も定員割れが多く、30年前のオイルショックの不況時には、手に職を付けろとばかりに大卒者や社会人も歯科技工士を目指し、技工士学校の競争率が10培近くと狭き門だったのがウソのようです。昨今も不況ですが、それでも選ばれない職業になってしまったようです。

私(兄)が歯科技工士になり社会に出た頃の実態は、半数以上が無免許で安い賃金で働いており、そうした事も今の劣悪な労働環境を作った一因になっていると思います。

個人的には素晴らしい仕事で、とてもやりがいがありますが、正しい勉強を永続することが必須です。