家が近づくと音が大きくなる。

ジージーうるさい耳鳴りが割りばしゴロ寝で消えて頭痛も高血圧も改善した私(1)

私は七年ほど前から、耳鳴りに悩まされるようになりました。起きている間じゅう、右耳にジージーとセミの鳴くような耳ざわりな音がするのです。さらに、自分の話す声がくぐもって、頭にひびく感じもありました。

そこで耳鼻科へ行き、医師にいわれたとおり、毎日通って治療を受けました。しかし、四ヶ月たっても、まったく改善のきざしは見えませんでした。ついに、「ここでは治せない」といわれ、あきらめて病院へは行かなくなりました。

「どうして治らないのだろう」と考えた結果、私はこの耳鳴りは、ストレス性のものではないかと思うようになりました。というのは、私はそのころ、家にいる高齢の姑の世話で、心身ともに疲れる毎日を送っていました。家にいると常に耳鳴りがするのに、家を離れると耳鳴りはしないのです。

たとえば、旅行をすると、旅行の間は耳鳴りはしません。けれども帰り道、家が近づくにつれて、ジージーと音がしてくるのですから、まさに体の正直な反応としかいいようがありません。

それから、頭痛がするのにも困っていました。朝起きて雨戸をあけ、「今日もまた一日が始まる」と思ったとたんに、こめかみがズキズキしてくるのです。頭痛はほとんど毎日起こり、ときには首までこって、気持ちが悪くなるほどでした。困ったことに、市販の頭痛薬は飲んでも効きません。飲み続けるのも体によくないと思ったので、けっきょく飲まなくなりました。

そうした耳鳴りや頭痛による不調は、約二年続きました。当時、病院で血圧を測ったときには、血圧も高く、最大血圧は155mmHg、最小血圧は81mmHgありました。(基準値は最大血圧が100~40mmHg、最小血圧が60~90mmHg)。

主婦・69歳 菅井年江

脳が瞬間的に熟睡モードに入る。

私の職業病の肩こりが割りばしゴロ寝でらくになり心身もリラックスできる(2)

具体的には、部屋のカーペットの上にあおむけになり、割りばしを一本、くちびるに乗せます。体勢は、ヨガでいう「死体のポーズ」(大の字に近い)です。

不思議なことに、割りばしゴロ寝を始めると、数分もしないうちに頭のてっぺんから足のつま先まで、ジワーっと体から力が抜けるのが感じられ、脳が瞬間的に熟睡モードに入ります。

だいたい、十五分後には「ハッ」と目が覚めますが、このときは頭の芯のこりが取れた感じで、頭がとてもスッキリしています。また、全身のバランスも調整されたような気がします。

このスッキリ感というか、リラックスする感覚が気に入り、時間がある日は必ず、割りばしゴロ寝を行うようにしました。

すると、いつの間にか肩こりが、とてもらくになってきたのです。仕事は相変わらず忙しいので、肩がこらないということはありません。しかし、割りばしゴロ寝を始めてからは、肩こりの程度が軽くなりました。多少痛んでも、割りばしゴロ寝を行うと、肩こりがすぐ消えます。これを始めてからは、鍼灸院には行かずにすんでいます。

また、昨年九月には、痛んでいた歯を林歯科で抜き、義歯を入れました。義歯にした場合、最初は違和感があったり、痛みが出たりすることもあるそうです。しかし私の場合、違和感も痛みもありません。

それも、割りばしゴロ寝であごの周辺の筋肉がゆるみ、かみしめの弊害がやわらいだからではないでしょうか。考えてみると、仕事でもふだんの生活でも、体に力を入れる場合はしょっちゅうあるのに、力を抜くことはまれだったようなきがします。

現在も、割りばしゴロ寝は心身のメンテナンスとして続けています。割りばし一本が、こんな力を秘めているとは、思ってもみませんでした。

会社員・51歳 石川日菜子

ひとことアドバイス

林歯科院長 林晋哉

当然のことですが、割りばしゴロ寝が効果を発揮するには、まず試してもらわなければなりません。残念なのは、私がすすめても、「割りばし一本を口に乗せただけで、よくなるわけがない」と思い込み、試そうとしない人が、たくさんいることです。

石川さんのがんこな肩こりがよくなったのも、考え方が柔軟で、すぐに割りばしゴロ寝を行ったからです。しかも、あごの筋肉をゆるませておくコツをたちどころにつかみ、いまでは日常のストレス解消法としても、実践するようになっています。実際、あごの力を抜くと、全身の力もスッと抜けて、ストレスに対して抵抗力ができてきます。

かみしめが肩こりに関係していた。

私の職業病の肩こりが割りばしゴロ寝でらくになり心身もリラックスできる(1)

私は勤務先で書籍の編集に携わっています。仕事柄、机に向かっていることが多く、また、原稿のチェックなどで目を酷使しています。生活は不規則で、徹夜に近いこともあります。

そのため、職業病とでもいうのでしょうか、以前から肩こりで悩んでいました。肩がこると自分で指圧したり、ゆっくりお風呂に入ったりしていました。

それでも、肩のこりは少しずつたまっていくため、二~三ヶ月に一度は鍼灸院に行き、治療を受けていました。

そんな私が、林歯科の林晋哉先生に割りばしゴロ寝を教わったのは、昨年の六月初旬のことです。以前治療した歯が痛くなり、よい歯科医院はないかと探していたところ、書店で林先生の本を見つけたのです。

割りばしゴロ寝は、あおむけの状態で、割りばしを軽くあいたくちびるに乗せるというものです。これで口のまわりの筋肉がゆるみ。さまざまな症状に効果的だといいます。

林先生によると、七~八割の人が、寝ている間に歯をかみしめているそうです。されは、脳のストレス解消にはなるものの、歯にはダメージを与えているといいます。私も「かみしめ派」と診断され、それが肩こりに関係しているのだろうとのことです。先生には、かみしめのダメージをへらすために、割りばしゴロ寝をすすめられました。

割りばしゴロ寝のことを聞いたときは、「まさか」と思いました。しかし簡単な方法なので、とにかくやることにしました。

私の場合、仕事の忙しさに波があるので、毎日決まった時間に割りばしゴロ寝をやることはできません。ともかく、一週間に四~五日、入浴前や就寝前に二〇~三十分、行いました。

会社員・51歳 石川日菜子

あごのエラがスッキリした。

20年以上悩んだ顎関節症が割りばしゴロ寝で改善してあごのラインもスッキリした(2)

そんな状態だった、七年前の六月のことです。新聞で、林晋哉先生のかみ合わせに関する説明会のお知らせを見つけました。さっそく説明会に出席し、林先生の歯科医院で治療をしてもらうことにしました。その治療の一つとして、自宅で行うよう先生が教えてくれたのが、割りばしゴロ寝です。

割りばしゴロ寝は、横になって二〇分ほど、割りばし一本を、軽く開いたくちびるに乗せるという方法です。教えてもらったときは、不思議な方法もあるものだと思いましたが、とにかく自宅でやってみることにしました。

夜、ふとんに横になって割りばしを乗せて、そのまま静かにしていました。最初はなぜか、割りばしをのせていると、すごく疲れてイライラしていましたが、慣れてくると、乗せたまま知らぬ間に眠るようになりました。

割りばしを乗せたまま眠ると危なくないかな、と思いましたが、心配には及びませんでした。寝ている間に、いつの間にかポロッとくちびるから落ちているからです。

初めのころは、割りばしゴロ寝は夜寝るときに、ときどきやる程度でした。それでも一~二ヶ月たつと、以前はいつもコリコリして硬かったあごの筋肉がほぐれて、柔らかくなってきたのです。それからは、なるべく続けてやるようにしました。

二〇年以上悩まされてきたあごの違和感は、その後も少しずつ、確実に軽くなっていきました。あごの筋肉が柔らかくなるのに続いて、歯と両ほおの間に空気が入っているような感覚がなくなってきたのです。冷たい風に当たっても、顔のすじが張ることもなくなりました。

そして、割りばしゴロ寝を始めて二年半で、あごの違和感がまったくなくなったのです。時間はかかりましたが、長年悩んできたことから解放され、これほどうれしいことはありませんでした。

さらに驚いたのは、あごのラインが変わったことです。かみ合わせが乱れて歯を食いしばっていたころは、あごが四角っぽくエラが張っているように見えていました。それが、スッキリとシャープになったのです。

昨年の夏、五年ぶりに免許証の書き換えのため写真を撮りましたが、割りばしゴロ寝を始めて一年くらいのときに撮った前回の写真とは、あごのラインが別人のようです。夫も「変わったよね」と感心しています。

また、割りばしゴロ寝を始めて四~五ヶ月たったころ、不思議なことに左手のだるさが取れてきました。その後、左手のだるさは完全におさまっています。そのうえ、座骨神経痛による腰痛も、ほとんど気にならないくらい、軽くなりました。このように次々と、体の不調が改善し、喜んでいます。

主婦・55歳 安藤時子

ひとことアドバイス

林歯科院長 林晋哉

安藤さんは顎関節症と診断されて、大学病院で針治療を月に一回受けるのを、二〇年以上も続けてきました。針治療の目的は、あごの筋肉の緊張を取ることです。これは、顎関節症の改善には悪いことではありません。しかし、針治療を二〇年以上続けても、顎関節症がよくならなかったのは、それがあごの動かし方(かみ方)のリハビリテーション(機能回復訓練)にはならなかったということです。

おそらく針治療を受けた直後は、調子がよかったのでしょう。しかし月一回の治療では、日常的なあごの緊張を取り、かみ方を改善するにはいたりません。

割りばしゴロ寝がすぐれているのは、毎日、簡単にできるので、あごの緊張を解くリハビリには最適だということです。だからこそ、二〇年以上治療をしてもよくならなかったあごの違和感が、割りばしゴロ寝を始めると、一年もしないうちによくなってきたのです。

針治療では改善しなかった。

20年以上悩んだ顎関節症が割りばしゴロ寝で改善してあごのラインもスッキリした(1)

私は高校一年のときに、左下の一番奥の歯がムシ歯になり、近所の歯科医院で抜きました。そのまま放置したせいだと思いますが、上の歯がしだいに下がってしまい、かみ合わせが悪くなってきたようです。二十五歳のころから、あごや顔に妙な違和感を覚えるようになったのです。

かみ合わせが悪いため、歯をくいしばっていることが多く、しょっちゅう、下あごがジワッと張っていました。そして、歯と両ほおの間に、いつも空気が入っているような気持ち悪さがありました。

冷たい風に当たると、下あごの張りがさらに増し、両耳の下からあごにかけて、すじが一本ピンとつったような、実にいやな感覚が出てきます。指で押してほぐすと一時的に治りますが、しばらくすると、またすじが張ってきます。

三十歳のときに、大学病院の口腔外科に相談へ行きました。医師から顎関節症との診断を受けた私は、以来、月に一度通院して、針による治療を受けるようになりました。けっきょく大学病院での治療は二〇年にも及びましたが、あごと口の中の違和感は、改善することはなかったのです。

これもかみ合わせの乱れと関連があるのかわかりませんが、二十六~二十七歳のとき、寝返りが打てないほどの座骨神経痛を患いました。以来、腰痛にも悩まされていました。

車の乗り降りや家事などで、かがむ姿勢をとるとズーンとした痛みが腰に走り、しょっちゅう「イタタ」といっていました。腰を温めると少しはらくなので、秋から春まで一年の半分くらいは、使い捨てカイロが手放せなかったほどです。

七年ほど前に、左手の中指が曲がって伸びない、バネ指になってしまいました。そのため、左腕がだるくて車のハンドルもまともに持てず、右手だけで運転するような状態が続きました。

主婦・55歳 安藤時子