悲しみを少しでもほぐせれば・・・ 簡単な咀嚼筋マッサージ

かつて私達の元に「姉が亡くなって以来、口が聞かなくなった」と言う患者さんが訪れました。

大きな悲しみはストレスとなり、気は沈み、沈痛な面持ちになってしまいます。沈痛な面持ちが続くと、笑顔や怒りなど顔の表情を作る表情筋が凝り、固くなってしまいます。

さらに歯を食いしばって耐えていると阻鴫筋(ものを噛むための筋肉)も凝ってきます。普段よりも歯を食いしばる時間が長くなると、顎関節を圧迫し、口が開けづらくなったり、少ししか開かなくなったりします。首や肩こりの原因になったりもします。

「顔の筋肉が凝る」ことはあまり知られていません。対処法は簡単なマッサージが効果的です。顔全体、特に顎、エラの部分や側頭筋(耳から上の頭の両サイド)を痛くない程度に少しマッサージするだけで、思いのほか顔の筋肉もほぐれ、首や肩の凝りも楽になる事があります。

↓ 上記の患者さんも「咀嚼筋マッサージ」を取り入れた治療で口が開くようになりました。

ニュース映像に写る被災された方々に無表情の方が多いように思われます。おそらく顔全体の筋肉も凝っていると思います。悲しみを簡単にほぐすことは出来ませんが、せめて顔の凝りが少しでもほぐれたらと思います。

(いわき市で診療されているS先生咀嚼筋マッサージを患者さんに教えてあげて下さい。よろしくお願い致します。)

「わりばし法」のすゝめ

歯や歯茎に大きなストレスがかかり、噛み合わせバランスを崩す原因となる噛みしめや、歯ぎしりを改善する方法として私がおすすめしているのが「わりばし法」です。

仰向けになり、割り箸を口に軽くはさんで約30分間、リラックスタイムを持つというものす。この方法を行うと口の周りをはじめ、全身の筋肉の緊張、がやわらいでいきます。

やり方はとても簡単です。

①わりばしを割って1本のわりばしを唇で軽くはさむようにします(噛まないように。感覚としては口にのせる感じです)。

②仰向けになり、全身の力房長くようにして、そのまま30分間過ごします。畳やカーペットの床のように硬い場所で仰向けになるとより効果的です。

体を冷やさないように毛布などをかけてもよいでしょう。終わって起き上がるときは体を十分ほぐしながらゆっくりと立ち上がります。急に立ち上がらないことです。

チューインガムのすすめ

やわらかい食べ物が大好きな「噛まない生活」を続けていれば、近い将来、まともに噛むことができない日本人ばかりとなってしまうことでしょう。

歯の健康は国の未来を左右するといってもいいすぎではないと思います。

チューインガムを人前で噛むととに抵抗を覚える人もいるようですが、私はガムを積極的に活用するべきだと考えています。大人も子どももガム(ノンシュガーのもの)を積極的に活用して「噛む生活」を実行したいものです。

子どもたちが必ず噛まなければいけない時聞を作ることも一つの方法ではないかと思います。「顎の時間」を設けて、保育園、幼稚園、小・中学校などで1日10分でもスルメや硬めのガムを噛むようにしたいものです。

ガムを噛むときは口を閉じ、左側で数回、右側で数回というように、左右の歯でバランスよく噛むようにしましょう。

割りばし法余話

割りばし法にこれだけの効果があると、特別な加工を施して儲けましょうという業者がいた。健康割りばしとか、マジックスティックとかのネーミングをして、携帯用のケース付き、で売り出しましょう!

すべて断りました。

どの家庭にもあって、お馴染みな物である事がミソなのである。それに安価だ。(ただし、100円ショップで購入した割りばしは臭かった。科学薬品の匂い。要注意!)

イタリアに留学した声楽家は帰国する度に割りばしを買って行きました。使用目的はもちろん、食事だけじゃありません。

娘が小学生の頃、頭が痛くなると、保健室で割りばしの替わりに鉛筆を口に乗せて寝ていました。10数年前からの達人である。

とにかくお試しを。(林裕之)

足の親指の痛みがたった一回で消えた

ジージーうるさい耳鳴りが割りばしゴロ寝で消えて頭痛も高血圧も改善した私(2)

そんな私が、以前教えてもらった割りばしゴロ寝を思い出し、よくやるようになったのは、五年前のことでした。

八年前に、私はある歯科医院で行ったブリッジ(欠損部の両側の歯を橋桁にして、金属による橋を装着して人工歯を補う方法)が合わず、違和感があり悩んでいました。そのころ、かみ合わせの治療を行っている林歯科のことを新聞で知り、訪れました。

そこで教えてもらったのが、割りばしゴロ寝でした。これは、あおむけになって、割りばしを一本くちびるに乗せるという方法で、かみ合わせや体のゆがみ、自立神経の調整に役立つそうです。

その歯科医院で、割りばしゴロ寝のやり方を教えてもらい、その場で三〇分ほど行いました。そして帰るとき、信じられないことが起こりました。

当時私は、右足の土踏まずから親指にかけてのすじをいため、親指の一部がどうしても治らず、困っていました。痛くて靴がはけず、サンダルを右足にひっかけるようにはいていたのです。

それが、割りばしゴロ寝をしてからサンダルをはくと、スッと先まではけます。なんと、足の痛みがなくなっていたのです。驚きとうれしさで、割りばしゴロ寝の不思議な力を実感しました。

それを思い出した私は、ときどきやっていた割りばしゴロ寝を、「耳鳴りにも効くのでは」と、まじめに行ったのです。日中、ひまな時間をみつけて毛布をしいた上に大の字に横になり、ラジオを聴きながら二〇~三〇分間、割りばしを乗せていました。

割りばしゴロ寝は、かなりリラックス効果があるようです。私は昼寝の習慣はありませんし、寝ようと思っても眠れません。ところが、割りばしを乗せていると、よほど神経が休まるのか、そのまま一時間半ほど気持ちよく昼寝することが、よくありました。

割りばしゴロ寝は、昼間だけでなく、夜寝る前にもなるべく行うようにしました。さて、こうして割りばしゴロ寝をするようになって半年めくらいから、耳鳴りの音が徐々に小さくなってきました。そして、一年たつころには耳鳴りは自然に消え、ここ四年くらいは耳鳴りは起こっていません。

耳鳴りがひどかったころは、自分の声もひびくので無意識に声を落とし、声がかすれて、人と話すのがおっくうでした。いまは、そんなこともありません。私が耳鳴りの原因だとにらんでいる、ストレスのある生活自体は変わっていないのに、耳鳴りが消えたのは、割りばしゴロ寝が効いたからとしか考えられません。

また、耳鳴りが消えたのと同じころ、もう一つの大きな悩みだった頭痛も、起こらなくなってきました。頭痛の解消とともに、首がこることもなくなり、とても喜んでいます。それから、今年に入って久しぶりに血圧を測ったところ。最大血圧が130mmHg、最小血圧が61mmHgと下がっていたのでホッとしています。

割りばしゴロ寝を行って、体の不調がなくなったおかげで、姑の世話をはじめ、何ごとにも前向きにがんばれるようになりました。私を救ってくれた割りばしゴロ寝には、本当に感謝しています。

主婦・69歳 菅井年江

ひとことアドバイス

林歯科院長 林晋哉

割りばしゴロ寝は、ときには私でも信じられないほど、効果を発揮することがあります。たとえば、菅井さんのような耳鳴りは、耳鼻科でも治療はほとんどお手上げの状態です。

そんな耳鳴りが、割りばしゴロ寝でよくなったというのですから、改めてそのすばらしさを教えていただきました。その意味では、この方法で頭痛がよくなったり、血圧が下がったり、よく眠れるようになったりするのも、不思議ではありません。

菅井さんの不快な症状は、安易なブリッジの治療で、口腔内に不つり合いが生じたことに端を発していると考えられます。

安易に歯の治療を受けると、そうした危険もあるということを、知っていただきたいと思います。そして、自己防衛として割りばしゴロ寝を行い、十分にあごの筋肉の緊張をゆるめてから治療を受けてください。そうすれば、菅井さんのような例がへるでしょう。