8020運動よりいくつでも28運動を!

”健康な食生活に欠かせない歯を、80歳で20本以上残すことを目標にした国の取り組み(8020運動)について、達成している人の割合が大幅に増え、昨年度は4割近くに上ったことが厚生労働省の調査で分かりました。”というニュース

80歳で20本以上の歯が残っている人が増えたことは喜ばしいことですが、私たちはいくつでも28本であることを提唱していますし歯科医の本来の使命のはずです。要はいくつでも28本が理想。失った歯を入れ歯で補い、前後左右の歯でまんべんなく咀嚼できるようにするのが、歯科医の務めであり、健康でいる秘訣です。

自分の歯を残すことはとても大切ですが、そればかりに捉われずに、歯を失なってもスムースに義歯に移行することに目を向ける事がより重要です。

私の父は今年86歳、60代で上下総入れ歯になりました。つまり6000(ロクマルマルマル)ですが、お陰さまで元気に暮らしています。実年齢よりいつも若く見られます。

歯の"8020/ハチマルニイマル運動" 達成率が大幅上昇
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/

「表面化したインプラントの実態」TBSラジオ

早朝のTBSラジオの『 森本毅郎・スタンバイ!』を昼間ポッドキャストで聞いているのですが、火曜日のコメンテーター酒井綱一郎さんのコーナーは「表面化したインプラントの実態」のタイトル。早速聞いてみました。

5/31のブログ『実態調査速報 インプラント
重篤トラブル400件余』でも取り上げた顎顔面補綴学会の報告を受けての内容でしたが、メインキャスターの森本さんも酒井さんもインプラントの経験者だそうで、いつにもまして、関心を示していました。

これを聞いて知った事なのですが、1年で60万本のインプラントが植えられているのだそうです。すると、インプラントの成功率は90%だとされていますから、残りの10%/にあたる6万本は失敗している事になる。「表面化したインプラントの実態」もうなずける内容でした。

今までと違ってインプラントの影の部分が広まるのは良い事なのですが、どうしても、失敗の原因を歯医者の腕の善し悪しに帰結しがちで、そこが歯痒く忸怩たる思いです。

使える入れ歯があればインプラントはまず必要ないのです。失敗してから気づいたのでは遅いのです。

酒井綱一郎さんのコーナーは「表面化したインプラントの実態」はここで聞けます。

健康寿命を延ばす噛める入れ歯

噛める入れ歯

人間誰でも「死ぬまで元気」が理想で、ピンピンコロリを目指しているわけですが、実態はそうなっていず、健康寿命と平均寿命の差は男性で9,22年、女性で12,77年だそうです。

介護が必要だったり、寝たきりになったりする期間が約10年もあるわけですから、本人のみならず、家族や社会保障、医療費の負担は相当なもので、しかも増え続ける。

先日のクローズアップ現代で見た医療現場の実態と合わせて考えると、正直暗くなってしまいます。
(「多死の時代」https://goo.gl/4yyyN)

しかし、歯科が力を発揮すれば、もっと健康寿命を延ばせると思います。よく噛めることは健康に直結します。自分の歯が多く残っているのは理想ですが、自分の歯が少なくても噛める入れ歯があれば健康度に歴然と差が現われます。

実際、噛める入れ歯にしたところ、寝たきりから自分で歩けるようになった例などたくさん報告されています。ある程度の年齢を過ぎたら、噛める入れ歯を手に入れることが、とても大切です。

歯科界も健康寿命を延ばす大きな力と責任がありますから、インプラントのダンピング合戦などをするよりも、噛める入れ歯を提供出来る歯科医と技工士を増やして、国民の健康に寄与すべきです。

「健康寿命は男性70・42歳、女性73・62歳 厚労省算出 平均寿命との差縮小目指す 社会保障負担軽減に期待」

実態調査速報 インプラント 重篤トラブル400件余

この調査は、インプラント治療を巡るトラブルが後を絶たないことを受けて”実施されたそうです。昨今はインプラントトラブルに関する警告や報道が頻繁になされていますが、医療者側からの報告は初めてではないでしょうか?

調査の速報を元にした記事ですが、この中に出てこない以下の文言が学会のサイトにありました。
https://www.jamfi.net/

対象症例 : インプラント手術関連の重篤な医療トラブル症例(ほとんどの症例は、他施設でのトラブルの後処置)」”記事になかったのは 『ほとんどの症例は、他施設でのトラブルの後処置』
とある部分です。

少々うがった見方かもしれませんが、インプラントの成功率を90%などと宣伝する実態はここにあると思います。

つまり、自分のやったインプラントが失敗しても、その患者さんは他の歯医者へ行ってその”後処理”をしてもらっているので、当の歯医者は自分のしたインプラントが失敗したことを知らずにいる。

自分のところへはうまくいった患者さんだけが通い続けるので、自ずと成功率が上がると錯覚するいう訳です。実際に、失敗したインプラントを抜くことを専門にしていたことのある友人の歯科医がいるくらいですから、そう外れた見方ではないと思います。

もう何度も言っていることですが、インプラントが増えれば、トラブルも増える。そもそもがハイリスクの治療法である上に、きちんとした入れ歯が出来ればまず必要ないものなのです。

最近インプラントに関する報道の方向がかなり変わってきていると感じます。それだけ被害の実情が表面化しているからです。誤解を恐れずに言えば、インプラントに警鐘をならし続けている我々にとっては追い風で、一般の方がインプラントに慎重になるのはとても良い事です。

今回の調査結果の詳細は7月に発表されるようですので、それを待ちたいと思います。インプラントのリスクを知る事があなたをトラブルから遠ざけます。

実態調査速報 インプラント 重篤トラブル400件余

こちらも参考にして下さい。

*インプラント治療が問いかける歯科医療の今 NHK生活情報ブログ (2月8日)

*歯科インプラント トラブル急増の理由 NHKクローズアップ現代 (1月18日)

*当ブログで取り上げたインプラント関連

 

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いいなり表紙 歯医者の言いなりになるな!

-正しい歯科治療とインプラントの危険性-

著者:林晋哉 林裕之

インプラント治療の欠陥とは!

角川oneテーマ21 (新書判)
¥760(税込)
発行元:角川書店 
ISBN 978-4-04-710261-3-C0295

内容: 週刊誌を賑わせたインプラントの死亡例。先端医療のずさんさが世間の注目を浴びることになったが、著者の林兄弟は以前より各メディアで激しく警鐘を鳴らしていた。満を持しての書き下ろし!

 

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「多死」の時代

夕べのNHKクローズアップ現代の内容は衝撃的でした。団塊世代の高齢化が始まり、超高齢化社会が現実になった今はまさに「多死」の時代。生老病死が人の一生ならば、”老”と”病”が長く伸びているのが長寿大国日本の実情です。

国は平均在院日数を減らし、医療・介護費を抑制するため在宅医療を推進し始めました。在宅介護といっても動けないのに独り暮らし、老老介護、家族介護の過酷な実態が映像で紹介されていました。

先日の中学時代の同級生の集まりでも、親の介護と子供の晩婚があちこちで話題になっていました。死ぬまで元気が理想ですが、自分がどうなるかは誰も解りません。年金問題と合わせ、長生きが良い事なのか?とさえ考えてしまいます。

「多死の時代」を制度改革だけで解消されるとは考え辛い社会構造になっています。国にとっても、自分にとっても、「多死の時代」がますます重くのしかかってくることだけは間違いありません。

もう病院で死ねない ~医療費抑制の波紋~
https://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/